パシリが増えた
本日2話目
9月20日、句読点の修正を行いました。
「急な話ですが、新たに転校生がやって来ることになりました。いろいろと質問もあるよ思いますが、一先ず紹介だけ。いらっしゃい。フランさん」
朝の一番最初の先生の話。
また転校生か。
(また賑やかになるな)
全部が全部アッシュみたいな馬鹿じゃねーよ。もしそうなら、俺も頭可笑しくなるよ。
「ハッハッハー!私はアシュガノフさんの一番の仲間にして相棒!フラン・サララン様なのだー!学園のナンバーワンのアシュガノフさんの相棒である私こそが!い!ま!か!ら!この学園のナンバーツーなのだ!」
(むう?やはり賑やかではないか)
意味わかんないやつがやってきたな。女子だ。元気有り余ってる感じの。マジな方でアッシュと同じ香りがする。うるさい、うざい、子分キャラ。これはなんだ?俺になにか恨みでもあるのかよ!
いや。でも、俺に絡んでくるとは限らないし……
「…………。あーっと……私は、ちょっと職員室に用があるので、みなさんで仲良く話して待っていてください」
あー!逃げた!先生が逃げた!嫌な予感しかしねーよ!
「ハッハッハー!そう!私は君達愚民より遥か上の存在なのだ!だが安心しろ!1日3食のパンと肉を分けてくれるものには、これまで通りの生活を与えてやらんこともない!それが出来ないなら、お前達はアシュガノフさんの奴隷になればいいのだ!なんだそこのお前の面は!我々の奴隷にそんな阿呆面はいらんぞ」
何故かピンポイントで俺を馬鹿にしてきやがった。ちょっと怒っていいのかな?
「あのー。フラン?もうその計画は無くなったんだけどなぁ」
「なーにを面白い冗談を!ここの愚民共も我々……いや、アシュガノフさんを恐れ、一言も発せずにいるではないですか!」
計画?まあいいか。皆が恐れているのは、アッシュじゃなくて俺。ピンポイントで堂々と悪口言われて怒るなという方が無理な相談だ。
そして残念ながら、怒らせた相手は俺。この場にいる全員が、医務室へ行く覚悟を持った筈だ。
「僕は、ガリュー君の子分だ。永久的にな。僕は彼に負けたんだよ。君だって勝てやしないし、仮に勝っても、僕はもう、血の契約をしたんだ。今更つべこべ言っても何も変わりゃしないさ」
「何を言っているんですか?この阿呆面に負けた?血の契約?冗談キツイですよ」
「うるさいからさっさと座れ。そして黙れ」
本音が口から出てしまった。
(わざとだろ)
分かるだろ。
「何よ!阿呆面のくせに生意気な!」
阿呆面好きだな、お前。
「やめろ。フラン。君が僕の相棒なら、君は彼の子分だ」
何故そうなる!?阿呆が増えたら俺はもう我慢出来なくなるぞ!
つーかさっき、サラッとこいつ、永久的に子分とか言わなかったか?
真面目に嫌だわぁ。こいつらはもう手に負えない領域に達しそうなんだけど。
「アシュガノフさん……。そうですよね…………。そうだよ……」
「分かってくれたか」
「アシュガノフさんは幻想魔法にかけられたんですね!アシュガノフさんが負けるわけないですもの!きっと卑怯な手を使ってアシュガノフさんを……」
お前ら幻想魔法に何の恨みがあるんだよ。
主がアホなら仲間もアホか。
「許さない……許さない……愚民の癖にィィィィイ!」
お前らほんとに愚民好きだな~。フランが腰の剣を抜く。両手剣だ。重そうだが、その分威力も高いのだろう。
「ダメだフラン!」
アッシュが叫ぶが、もう遅い。
彼女の剣は俺の顔面へ……そのまま俺の顔を一刀両断した。とはいかず、俺は剣を手で弾き、音速のパンチを繰り出す。これは音速ダッシュのパンチバージョンだ。威力は、それなりにある。
「ガァッ!!!」
フランは泡を吹いてその場に崩れ落ちる。
ガラガラという音がして、先生が帰ってくる。
「……ガリュー君?説明してくださいね」
狙った?狙ったよね?こんな絶妙なタイミングで来るとかマジ狙ったよね?違うんなら怖いんだけど。
「うえぁ!ああ、、、そのーあのー……」
「話は向こうで聞きます」
こうして俺は、またしても怒られたのだ。
ーーー20分後ーーー
やっと終わった。マジでさ。目が怖い。アレはやばいわ。蛇のような鋭い目。恐ろしいわぁ。
「ぐみ……いや、主君。先程までの無礼をお許しください」
「はい?」
フランが謝ってきた。夢だろうか?いや。謝ってきたのはどうでもいい。主とはなんだ主君とは。
「何もタダで許してもらおうとは思っていません。なのでこれからは、主君の子分として、アシュガノフさんと共に、一生仕える所存です。どうか命だけは……」
命とる気は無いけどね。でもね、永久的に子分、、、こいつはよく見ると相当な美人、、、この年なら可愛いかな?将来は相当な美人になると思うが、問題はそこではなく、こいつはアッシュの相棒(自称)だ。アッシュに似ているにちがいない。アッシュが2人……邪魔はもう通り越して行きそうだ。
「お荷物お持ちします」
「いいから。つうか何も持ってないし。子分とかいいから。許して欲しいなら関わるな」
「そうは行きません。肩は凝っていないですか?お昼の学食は何が?何でも言ってください」
「いいって言っているだろ!」
「無駄だよガリュー君。彼女はあの、サラランの家の人間だ。戦いに負ければ服従する。それが彼等のやり方だ」
あのとか言われても、知らねーんだけど。
「何でも言ってくださいよ!」
「まあ、少しは僕のことも頼ってくれ。そう言えば、昼の学食はなにが....」
「マジでやめてくれ!!!」
俺は心の叫びを全力で外へ出した。
またパシリが増えた。
本日、ツギクルブックスに登録しました!そちらの方も、良らしくお願いします。イラスト付きです!(題名のみですが、、、)
18000PV突破!ありがとうございます!
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