決闘
「ぷ……ぷぷぷ。ばっかじゃねぇの?こんなやつと戦ったら、医務室に1000回は余裕で輸送されるぞ」
ナスが言い放った。
「君たちは騙されている!あれはただの幻想に過ぎない」
「いいぞ。お前が勝ったら奴隷になればいいんだな。俺が勝ったら?」
「お前が勝つわけないだろう!もしこの僕が負けたなら、死んでやるよ!ありえんがね」
お前の自信はどこから来てるんだよ。こんな時には先生が止めに来るはずなんだが、あいにく先生は職員室に行っているからなぁ。
どうせ秒速で終わるわけだし、受けてやったっていいもんな。
「カルエル。治療の準備しといて。3秒で終わるから」
「どこまで僕のことを軽く見ているんだ!これでも僕の成績は去年は学年、いや、学校トップだったんだぞ!」
まじか。レベル低いな。アザゼル。もしかしてここがハイレベルすぎるとかある?
(いーや。お前がハイレベルすぎるだけだ)
そうかい。
「さあ。始めよう。お前が僕にひれ伏す姿が早く見たいものだ」
「ナス。合図してくれ」
「了解。位置について。3、2、1、開始!」
俺は左足に魔力を込める。魔術による筋力強化だ。そのまま一気に地面を蹴る。
<シュッ>
風が切れる音。俺は音速を超えた。
アッシュはまだ、手元で魔法を作り出そうとしているところだ。
俺はそのまま腕を筋力強化。大きく振りかぶって思い切り殴る。
<ドフン>
強すぎたか。アッシュが吹き飛びすぎて、校舎に衝突しそうだ。こんな時は、、、
アッシュの後方から強風。風魔術の中で最も弱いとされる操風だ。送風では無いぞ。これで勢いを相殺。
アッシュはその場に崩れ落ちる。泡吹きながら。血が出ないように手加減したんだぜ。
俺の勝ちだ。俺に勝ちたいなら1級の魔術師連れてこい。
(1級でも勝てないぞ)
そうなの?でも、あんまり自分を評価しすぎるのも良くないと思うんだ。大抵は異世界転生ってそんなもんだろ。
「ガリューの勝ち……だな」
「カルエル。頼んだ」
「あ、う、わかった」
カルエルがアッシュの治療を行う。アッシュは絶賛好評気絶中だ。
「ああ!!!」
「うあっ!先生!」
職員室に行っていた先生が帰ってきた。
「ガリュー君?一体何をしたんでしょうかねぇ?」
先生がニコニコ笑顔で聞いてくる。その目は笑っていない。
このあと俺は、先生に説教されてしまった。
最悪の気分だ。勝っても圧倒的差過ぎて話しにならないうえに、向から仕掛けられたのに怒られる。嫌だなぁ。
まあこうして、転校生はぶちのめしてやったわけだけど、これからあいつの態度が変わるんだかどうかねぇ。
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