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魔人を砕け

皆さんいつもありがとうございます!

最近土曜日朝0時更新で定着しつつあります。

黒い宝石のようなそれは、バラバラに砕け散って、宙に舞った。


陽の光に照らされて、その石は綺麗な黒光りを見せる。

俺が知っている宝石で言うと…ブラックダイアモンドといったところか。


綺麗だな。

思わず宙を舞っている途中の、その黒い宝石に見とれてしまう。


が、その宝石は地面に落ちるとともに、蒸発したかのように黒い煙となって消えていった。


なんだよ。ドロップアイテムじゃないのかよ。


(うむ。だが心配するな。心臓はドロップするぞ。ほかのどの部分よりも純度が高くなるしな)


あ。アザゼル戻ってきた。

この無責任が。


(愚痴を言いたいのは分かるが、前見たらどうだ?)


消えた宝石に目を向けていたままだった目線を、前に向け直す。


目の前には真っ黒な球体があった。


「はい?」


真っ黒な球体は俺がバリアを張るよりも速く俺に衝突した。


とんでもない衝撃波が俺を襲った。手足が痺れ、俺はなす術なくして宙に吹き飛ぶ。


やばい。ここで俺死ぬの?

転生したのに子供のうちに?


やばい。意識が遠のいて...











...こない。ちょっと痺れたぐらいで、あとはピンピンしてるぞ?


俺は立ち上がって、まだ少し痺れる手で、腰についた砂埃を払う。


しかしなんで?もしかしてあの黒い球大したことない?


(んなわけあるか。あの球体は重力系の魔術。当たればまず中心にどんどん引き寄せられ...あとは...耐えきれずにつぶ)


あああ!もういいもういい!わかったわかった!

そういうのいいから。もういいよ!


(なんだ。こういうのダメか?さっきから剣で小動物切ってきた癖に)


あれはだって…もう死んでるじゃねえか。


(人間だって蹴って殴ってぶっ飛ばして...たじゃねえか。まあ黒の人間限定だが)


黒の人間だからな。

だいたいあれは生きるためっつうか。なんつうか。


(もういい。からかっただけだ。前見ろ)


ん?


デジャヴ!?


とっさにドッヂロールすると、さっきと同じく黒い球体が俺の元いたところに突進していく姿が見えた。


もうちょっと早く言ってくれない!?アザゼル!?


(どうせ変わりゃしねえよ。ほら。アレ追跡型だぞ)


忘れてた!


返ってきた球体を剣で弾く。


話戻るが...さっきその重力魔術直撃した筈なのに...何故痺れぐらいで済んでるんだ?


(そのアホみたいな石が吸収したんだろ)


おお!石か!石のおかげなのか!

いや。石なんて呼び方良くないな。


もはやこれは石先生だ。石の鎧大先生!


大切な時に居なくなる、どっかのアザ...うんちゃらさんとは大違いだなこれは。


(俺をバカにする気か!?)


バカにするも何も...?本当に居なくなったじゃんか。


(それより...前見ろ)


剣で弾く。


「鬱陶しいな!」


つーかお前もうちょい早く言えって言ってんだろ。


(言わなくたって俺よりユーシューなイシダイセンセイとヤラが守ってくれるんだろ。もういいわ)


ほらそこ拗ねない。あとイントネーション的に魚っぽくなってるし。

こっちこそもういいわ。拗ねたからって相手してやんねーからな。


もう一度魔人に向けて手を向ける。


アイススピアをさきほど同様に連発する。


それに対して魔人は、残ったもう片方の腕で自分の体を守る。


「もう片方の手も砕いてやるよ!」


全力で最大出力のアイススピアを放ち続ける。

目にもとまらぬ速さで氷の柱を魔人にこれでもかとばかりに撃ち込んでいく。


「よっしゃ!」


数分間当て続けていくと、さきほど同様にピシピシとヒビが片腕を走る。

そしてそのまま腕は砕け散って煙となって消えた。


(よし。このまま心臓を砕くぞ!)


ちょっと言ってることが危険だな。


(まあほら。どうせ石だし)


まあいい。胸筋を砕けばいいんだろ?


(ああ。それで終わりだ。さっさと終わらせろ)


何様のつもりだお前。


(魔王様だっつうの)


ああそうでしたね。


(前見な)


ん?

アザゼルに言われた通りに前を向くと、口を大きく開けた魔人が、こちらに向かって極太ビームみたいな何かを放出した。


「ホワッ!?」


ドッヂロール。

数秒間黒い極太光線が絶え間なく放出される。


その先にあった民家は吹き飛んだ...いや。消滅したと言って差し支えないだろう。


「...いや...やばいだろ」


(当たったら痛みも感じずに死ねそうだな)


怖いこと言うなよ...。

とにかくさっさとやっちまうしかないな。

あの光線はガチでやばそうだ。石先生でも耐えられるかどうか...?


まあいい。


俺はまたしても先ほどと同じように、魔人と距離をとってからアイススピアを撃ち始める。


(胸の所はほかより更に硬いから、たまにオリハルコンも混ぜるといいぞ)


オッケー。了解。

左手でアイススピアを放ち、そのまま空いている右手で、細い柱状のオリハルコンをローブのポケットからとり出す。


左手ををそのままに、右手を大きく振りかぶってオリハルコンを投げる。


魔力で強化した腕から放たれたオリハルコンは、マシンガンアイススピアなみの速さで魔人に激突する。


これまでは岩と氷がぶつかった程度の鈍い音しかしなかったが、その時だけは、カンッという金属音が鳴り響いた。

が、それでも胸筋は割れない。


「グラアアアアア!」


ここまで黙って自分の体にアイススピアが当たるのを見ていた魔人が、いきなり叫ぶ。


魔人は大きく口を開けた。


「ヤバいっ!」


ドゥンという重い音とともに黒い光線が魔人の口から放たれた。


先ほど同様にドッヂロールで回避。


(言ってみればこれは必殺技だ。撃ったあとに数秒間程動けなくなるし、連発もできない。つまり...)


これを撃ったらスキができるからチャンスってわけか。

どおりで静かにアイススピア受け止めてると思ったわ。


(さあ。ラストスパートだ)


光線が切れた瞬間を狙ってアイススピアマシンガンを再開する。

これまで空いていた右手も使って両手でマシンガンを撃ち始める。


そして遂に...魔人の胸筋にヒビが入る。


「あと...!少し...!」


そして魔人の胸が砕け...連鎖していくかのようにほかの部分が砕けていった。


「や...やった。魔人を...倒したぞ!」


砕け散った石は煙となって消えていく。


心臓だけが残った。これまでの表面上の色よりももっと黒く光り輝く心臓。


魔人のドロップアイテムだ。


(終わった。流石ガリューだ。勝てるって信じてたぞ)


その割には途中で抜け出してた気がするけどな。


俺は心臓の石を拾いに行く。


その時だった。


「焼き尽くせぇえええええ!メガファイアァアアア!」


赤い小さな弾が、俺に向かって飛んできた。


「んな...?」


何故かわからないが、すごくヤバそうな気がする。












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