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魔人

100話目!?


皆様のおかげです!


いつもありがとうございます!

敵がいないまま、都の壁が見えるところまでやってきてしまった。


まだ遠目に壁が見えるくらいだが、あの壁を超え、少し行ったところに、魔獣を作っている集団がいる...はずだ。


だが...もしも死体の在庫切れで魔獣生産が止まっているのだとすれば、もうそこに人はいない可能性がある。もう用済み、と言ってほかの場所へ移動しているかもしれない。

なんとしても犯人の1人くらいは捕まえたい。


だが、俺が心配なのは、犯人が捕まらないことではない。

あの謎の叫び声。

正体が掴みきれていない。


もし仮に魔人が生まれてたとしたら...。


(地獄絵図な可能性もある...か)


そういうことだ。

俺も魔人って言わても見たことないから分からんが、人間の魔獣だと考えれば、大体の察しはつく。


魔人が暴れまくって魔獣生産が止まった。というのも実際考えられる。それこそそこにいた連中は皆殺し...小動物の死体も...という可能性もある。


召喚してやったのに殺されるなんて...的な感じ?

それこそ前に言っていた魔王復活させたやつだいたい魔王に殺される説もありうる。


「とにかく魔獣が居なくなったのが気になる。すべての答えはあの壁の向こうにあるはずだ」


「あの壁の向こうに敵のボスが居るのね」


「多分...だけどね。いてくれた方がひと手間ふた手間省けるし、何より安全に事を進められそうだ」


「どういうこと?」


「あー...いや...何でもない。気にしないでくれ」


「それにしてもその...えっと...スタアさん?よくこの広い街の中で魔獣作ってる人達見つけられたね」


「いやあ。たまたまだよ。あと一つ言うと、街の外だし」


ここまでくる間に、城の様子や、戦況などをスタアさんが皆に話してくれた。

あの壁の向こうの話ももちろんしている。


「まあとにかく、さっさとぶっ飛ばして捕まえちゃえばいいんでしょ?簡単な話じゃない」


「簡単ってな...訓練や遊びじゃないんだ。気を引き締めていくんだぞ」


カルエルが軽い気持ちで戦いに望むようなので、そこは考えを改めさせる。


「だってこっちにはガリューいるんだし...それにそいつら捕まえて、戦いが終わったら皆で帰れ...」


「それ以上言うな」


それ。死亡フラグになりかねないから。

ほんとそういうのやめて。フラグって結構信憑性高いからね?俺そういうの結構信じてるから。

夜に笛吹いたらお化けやら蛇やらが...っていう感じのは信じないけど、フラグは結構信じてるからね!?


「なんで?」


「い...いいから...とにかく行くぞ」


俺達は壁に向かって進む。


一匹も敵がいない。静かだ。他のところの魔獣も片付けちゃったからか、あたりは静寂に包まれている。

まだまだ壁が遠いので、この静寂に包まれた道を歩き続けるのは少し嫌な感じがする。


不吉な予感しかしない。

本当にただ誰もいなくて静かならいいんだが。


...いや良くはないけども。誰かひとり犯人捕まえないといけないから良くはないけども...。


そう言っているうちにも、壁は少しづつ近づいていく。


魔獣に荒らされたのか、今となっては大きな穴だらけの民家がそこら中にある。

少し乾き気味な風が俺達を撫でる。


砂埃がひどいので、目が痛い。

ここまで荒れた地を実際に見るのは、初めてだ。

アメリカ西部のウエスタン的な映画のセットなんかよりよっぽど荒れている。

そこら辺でインディアンが走り回ってても違和感がない。


とかなんとか、少し変な事考えているとモヤモヤした感じが晴れる気がする。

少し気分が良くなった。


だが、そう言っている間にも歩いているので...。

思わず唾を飲み込む。

もう壁は目の前だ。


「壁...超えないといけないな」


「少し右側に行ったところに門があるから、そこから出ようか」


スタアさんが教えてくれたので、右側に方向転換し門を目指そうと横を向く。


その時だった。


「ウウウウウウウウ....」


謎の唸り声のような声が谺響する。あたりがこれまで静かだった分、その音はとても大きいように感じる。


「何処からだ!?」


咄嗟に背中に背負った剣に手をかける。


それとほぼ同じタイミングだった。


「グルァアァアアア!!!」


叫び声が耳にキーンと響く。


それとほぼ同じタイミングで、自分たちの後ろの方の壁が、大爆発を起こしたかのような音をだし、大爆発したかのように砕け散り、吹き飛んだ。


「んな...馬鹿な...」


スタアさんが思わず声を上げる。


「このレベルの壁なら、よじ登ることはできるかもしれないが…破壊するなんて...!?」


奥から出てきたのは人形の何か。

人ではない。

目視できるほどに禍々しい黒いオーラのようなものが吹き出ている。


腹部には穴が開いている。口からは赤い液体が少しづつ滴っている。

肌が黒く、それは黒人と比べても黒い。漆黒と表現していいだろう。


筋肉が破裂するのではないかという程に膨れ上がったその何かは、間違いなく強い。


赤い目が俺達の方にギロリと向いた。


間違いないだろう。

あいつが...


(魔人だ)


やはりか。

クソ。恐れていた事態が発生してしまったという訳か。


もしも本当にアザゼルの言った通りなら...。

あいつがボブゴブリンロードの10倍の力を持っているのか...?


(戦力10万。完全体ならそのくらい行くだろうが...。そもそも人間に魔獣の完全体が出来るわけがないか。あれは完全体じゃない。10万ではなく...5万程度だ。大した事ない)


魔人でもランクが違うのか?

完全体?


まあいい。

大した事ないって言い過ぎだろ。

5万だろ?ボブゴブリンロードの5倍じゃねえか!

充分強すぎるわ!


(まだましなほうだ。そんなんじゃ魔族領には行けないぞ)


魔族領?

さっきから気になる単語ばっかり言いやがって。こっちは戦闘が始まっ...


「グルアアアア!!!」


魔人が手をこちらに向けて、黒いオーラを固めたような球体を作り始め、こちらに放った。


「なっ!」


皆の前に出てバリアを張る。

バリアと球体がぶつかり、音はしないものの、大きな衝撃が俺たちにも伝わってきた。


だがすぐに跳ね返せたわけではなく、負けてたまるかというような感じで、黒い球体はバリアを破ろうと前へ前へと進もうとする。


「クソっ!」


バリアに魔力をさらに込めて、球体をなんとか弾く。


球体はこれまでの何よりも重かった。

ギルドで戦ったあの大男なんぞ比べ物にならない。

相手はそれでなお余裕のようだ。


魔人って...魔獣なのに魔術が使えるのかよ...?


(まあ、基本的な魔獣のステータスはベースの生物で変わってくるし、元が魔術使えるなら魔獣の方も魔術使えるだろう)


そんなの聞いてないぞ!?

魔人で魔術使えて、それであの筋肉だぞ!?

物理も魔法もステータス人間の域を優に超えているんじゃないか!?


そう言っている間に、魔人はこちらに向かって突進してくる。


「んな唐突に!?」


咄嗟にバリアを張ったが、もの凄い衝撃に負けて、少し後ろにプッシュバックされる。


「そんな馬鹿な...」


バリアかけた上で衝撃波ダメージとかシャレにならんだろ!


こんなの...こんなの...


「強すぎるだろ...」


魔人の攻撃を受けてみた最初の感想は、ただそれしか出なかった。



いつも読んでいただいてありがとうございます!


100話目は魔人の登場です。


遂に100突破です!

アクセス数も少しづつ伸びてきています!


なかなかポイントやユニークアクセスが伸び悩んでいるので、評価の方もよろしくお願いします!

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