『敵』
「全くお前は何でこんなに決闘を・・・。まぁ、私は決闘した張本人だが」
聖也と俺の決闘の審判はコロにお願いした。コロにお願いした時コロは「は?今なんて言ったんだ?」と目を点にしていた。まさかこんなすぐに決闘沙汰が起きるとは思っていなかったようだ。
「急に悪いな」
「審判をやること自体は別にいいが・・・。お前の事だから決闘やら吹っかけられても無視するかと思っていたからな」
確かに俺も最初はそのつもりだった。だが聖也の目を見てこいつ、面白いなと思ってしまったのだ。
「ああいう奴には実力差をしっかりと刻み込んでやらないと何回も挑んでくるからな。・・・何故ニヤニヤと笑ってる?」
「なんでもない。それよりも、ほら。相手が待ってるぞ」
釈然としないものを感じつつ聖也の方を向く。
「勝敗を決めるのは気絶または参ったと相手が言うことでいいな?」
構わないとの返事を受け、コロの方を見る。
「では、相者準備はいいな?では、初めッ!」
コロの声が響く一瞬前に聖也は動き出していたが敢えて言わない。
「セアァッ!!!」
手に握った木刀でシュウから見ても気迫のこもった一撃を放ってきた。
「剣道でもやってたのか?いい踏み込みだ」
と言いつつ素手で一撃を受け止める。聖也は目を見開き動きを止めた。
「戦いの途中で怯むなよ。致命的な隙だ」
木刀を放す。
「悪い、シュウが規格外なのは分かってたつもりだったが認識が甘かった。俺の全力、受け止めてくれ!」
なんだか師匠がよく読んでた熱血マンガみたいな台詞だなと思いながら聖也の攻撃をさばく。やがて戦闘授業の終了を告げる鐘の音が響く。
「そろそろ終わりにするか」
今まで聖也が見失わぬようスピードを抑えていたが決闘を終わらせるために全速を出した。瞬時にシュウの姿が掻き消え、瞬き一つ後には聖也の木刀を奪い取り後ろに立っていた。聖也は何故自分の木刀が消えたのか、そしてシュウがどこへ行ったのか分からず辺りを見渡している。
「後ろだ」
ビクゥっ!と聖也が背中を震わせた。
「い、いつの間に・・・。やっぱり流石だな。まるで歯が立たない」
「当たり前だ。真剣での戦いを経験してるのとしてないのではまるで違う。それに俺は真剣は真剣でも殺し合いだしな」
そこで何故か見物人も含めコロ以外の人が驚く。
「何をそんなに驚いている?」
声をかけても帰ってこない。
「あのなぁ、お前の世界はどうか知らんけどもこっちじゃ学園卒業までは実戦を経験しないんだ。普通」
剣と魔法の世界だからてっきり戦いまくりだと思っていた。
「そうなのか。まぁ、俺の世界では実戦なんか誰も経験してないな。多分」
聖也たち勇者4人がしきりに頷いている。
その時、訓練場の壁が崩れシュウがこの世界に来て初めてとなる『敵』が現れた。
すっごく遅れてすいません!これから不定期になります。ごめんなさい




