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コロ監督

「何故シーリアはウルガン近くの森なんかに倒れてたんだ?お前の白猫族はもっと東に集落があるだろう。それと少し離れて歩いてくれないか」

シーリアとの手合わせを終えた俺とユークリゥドはウルガンの亜人村からツプチェ、ツルクル、学園へと移動している。もちろんシーリアも一緒だ。

「分からない。気づいたらあの森に倒れてた。それとやだ。本人が意味を理解してなかったとか関係無い。私とシュウは夫婦」

シーリアはユークリゥドを威嚇するように見る。ユークリゥドはぐぬぬと歯噛みする。先ほどから会話してもこの繰り返しだ。この2人に間に挟まれている俺の気持ちを考えてもらいたいものだ。

「っと、このユークリゥド学園に戻ってくるのも久しぶりだな」

そう。俺たちは聖戦出場のため学園に戻ってきたのだ。聞けば聖也ら勇者チームともう1つの出場チームは既に学園へ戻ってきているそうだ。

「シーリアさんもユークリゥド学園へ入学する事が決まってますので学園に用意してある制服に着替えておいてください。シュウさんもですよ。Xランクの式典で制服を脱いでからずっと制服を着てませんから。聖戦には各学園の制服を着用しなければなりません」

そういえばそうだったな。しかしセレストリュールで脱いだ後あの制服がどこへ行ったのか全く俺は知らないのだが。

「シュウが着るなら私も着る。そのせいふくはどこ?」

「私が案内します。当然シュウさんは一緒に来ちゃダメですからね。シュウさんの制服を持って戻って来ます」

当たり前すぎるほど当たり前だな。人の着替えは見るもんじゃないという事を学んでいた。

「分かっている。適当にそこらをうろついてるとする」

ユークリゥド、シーリアと別れシュウは呟く。

「彷徨くと言ったは良いがどうするか。入ってすぐに出て行ったせいでろくに構造も分からん。大人しくここで待ってるか・・・・・・」

近くにあったベンチに座り目を瞑る。しばらくすると女子が近寄ってきた。近くにいたのは知っていたが敵意もなく動かないため無視していた。

「あの、シュウくん、だよね?」

なんだか見覚えのある顔だった。少し記憶を呼び起こす。

「お前は、確か・・・・・・。俺の鍛錬を覗いてたやつか」

「あの時はごめん!・・・・・・ホントに悪気はなかったんだよ?ちょっと逞しそうなシュウくんの体が気になってはいたけど・・・・・・」

最後に少し気になる文があったがまぁ謝罪を受け入れよう。何かをされたわけでもないしな。

「覗きの件は分かった。謝罪を受け入れる。それで何の用だ?話しかけたからには何か用があるんだろう?」

「ううん、特に用は無いよ。ただあ、シュウくんだーってカンジで話しかけただけ。でも少しお話できたら嬉しいかな。シュウくん来た時は話す暇もなく出て行っちゃったから」

普通の感覚だと初対面の相手と取り敢えず話してみたいものなのか。また1つ、普通を学べたな。

「しかし、話すと言っても何を話すんだ?言っとくが俺は女子の趣味に合う話題は提供出来ないと思うぞ」

それでもいいと言われた為付き合ってやる。確かに普通の女子の趣味に合う話題は提供出来なかった。だか、幸か不幸かこの学園は曲がりなりにもにも武を学ぶ学園だ。戦いの話題は興味津々だった。

「ねぇねぇ、シュウくんってXランクになったって聞いたけど本当?もし本当なら腕章見せてもらえないかな?一度見てみたかったんだ!」

何故腕章が貰えることを知ってるんだ?確かヘルゼン王は腕章には特別な魔法がかけられており、その存在は秘匿されているだとか何とか言ってたが。

「ああ、こんなので良いなら幾らでも見てくれ」

懐にしまっていた腕章を投げ渡す。

「わわっ!な、投げ!?・・・・・・綺麗・・・・・・。これの存在秘匿されてるって知ってた?もしかしてヘルゼン王に聞いたかな?何故私がこの情報を知ってるかっていうと私のご先祖様にXランクになった人がいたみたいで腕章の存在はずっと語り継がれてきたんだ」

成る程。だから知っていたのか。しかしそうなるとこいつの家柄は相当良いことになるな。まぁ、俺には関係無いか。

「そう言えばコロ先生、結構寂しがってたよ?あいつがいないと全力が出せないって」

それは寂しいというよりも力、鬱憤の吐き出し場を求めているだけじゃないか?まぁこの後コロの元に寄ってみよう。そんな時間があればだが。それからユークリゥドとシーリアが戻ってくるまで他愛もない話を続けた。ユークリゥド、シーリアと合流した後聖戦の新たな説明をユークリゥドから受ける。

「聖戦には最低3人のチームで出ることは話しましたね?ですがただ3人いれば出れるというわけではないんです。それぞれチームには1人監督が必要なのです。しかし我々のチームには特に監督が必要とは感じません。必要とされてないのに監督として同行をお願いするという少々屈辱的な立場になってくれる方が我々には必要です。これが見つからなければ残念ですが出場を断念することになります」

監督、か。本当にいらないな。逆になんか口出ししてきたら邪魔だ。口出しせず屈辱を甘んじれるやつ・・・・・・俺の知り合いには思いつかないな。この世界に来てからそんな日が経ってるわけでも人との交流が盛んなわけでもないから知り合い自体少ないな。

「監督の話は分かった。おいおい探すことにしよう。俺はこれからコロへ会いに行こうと思うが来るか?」

「そうですね。シュウさんの担当教師ですから戻って来たなら一言くらいは言うべきだと思います。ええ、もちろん私もご一緒させていただきます」

「誰かは分からないけどシュウが行くなら私も行く」

ユークリゥドは二つ返事、シーリアはいつも通り無表情で付いてくるようだ。そして良い加減俺にくっついて歩くのをやめてもらえないだろうか。非常に歩きづらい。結局シーリアを引き剥がすことはできず職員室前へやってきた。

「シュウだ。コロはいるか?」

突然扉を開けられびっくりする教員達。しかしすぐに冷静になりコロは今闘技場にいると教えてくれた。当然ユークリゥドには小言を言われた。扉くらいノックして入れと。どうもノックすることを忘れてしまう。闘技場ではコロを中心に実戦訓練が行われているようだった。といってもコロが担当するクラス全員対コロ1人だからあまり実際にはなさそうな実戦訓練だ。

「おい、コロ」

完全に気配を消しての呼びかけだったためとっさにコロは裏拳を放つ。シュウは軽くかわした。そう言えば気配を消していたなと思う。無意識に気配を消してる時がシュウにはあるのだ。

「なんだ、お前か。てっきり生徒じゃない誰かが話しかけてきたのかと思った。戻ったんだな、シュウ。いや、聖戦があるんだから当然と言えば当然か。元気そうで何よりだ」

久しぶりに会ったコロは中身はともかく外見は全く変わっていない。

「お前らチームの監督は決まってるのか?流石に監督が必要なことくらい知ってるだろう?まぁお前達に監督なんざ必要ないと思うが」

むしろ邪魔だと答えたらコロは苦笑していた。

「見つかっていない。ただのお飾りに耐えられる大人が知り合いにいなくてな」

「まだ見つかってなかったのか!・・・・・・はぁ。いいさ、私がやってやるよ。特に口出しする気はないからお前達の好きにやれ」

あまりにコロに監督というイメージが無さ過ぎてスルーしていた。確かにコロなら俺の実力を知ってるしなまじ俺の実力を知ってる為屈辱感も無いだろう。そう考えるとこの学園の教師全員がそうなる気もするが。

「そうか。ありがとう。恩にきる」

これで流石にもう問題は無いだろう。そう思いユークリゥドを見るとシーリアと言い争いをしていた。ユークリゥドの首根っこを掴んで尋ねた。

「もう問題は無いな?あってもお前が解決しろよ?」

「えっ?えっ?えっ?・・・・・・え?」

突然の出来事に対処できないユークリゥドを置いて聖也達を探しに歩き出す。最近になって自覚したが聖也と話してると楽しい。

「ちょ、ちょっと待ってくださ」

「久しぶりに手合わせ願おうか、会長サマ?」

後を追おうとしたユークリゥドの背後にコロの闘気。あの様子だとかなり鍛えていたようだな。無手だと俺も瞬殺されそうだ。結局俺についてくるのはシーリアになりそうだ。

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