表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/31

虹龍

ユルトに手続きをして貰い、早速地龍討伐に向けて必要な物を揃える事にした。当然シュウはまだ金を持っていないためユークリゥドの全額負担だ。

「色々とすまないな。ここで使った金はこの依頼の報酬から返す」

「いいですよ、そんなの。今の私たちは仲間なんですから気兼ねしないでください」

「・・・・・・感謝する」

未だに感謝を伝えるのにつっかえる。その後シュバリエ山の地図、食料、水そしてユークリゥドが使うという魔物に埋まっている魔心を加工した魔石を購入した。ちなみに魔法には一定量の物を異空間に保管する物があるらしく荷物は全てそこに入れておく。重さもなくなるようだ。

「なるべく早く依頼をこなすと冒険者としての格、と言いましょうか。そういうものが上がるので今日出発しましょう。その道中に私たちの連携を深めましょう」

「了解した。じゃあ、行くか」

そう言い俺たちはツルクルの町から出た。


ツルクルを出て5日が経った。俺とユークリゥドはそこらの冒険者よりも身体能力が高かった為既に予定地のシュバリエ山に到着していた。道中魔物に襲われたが俺やユークリゥドがいち早く気付き殲滅、連携はあまり鍛える事が出来なかった。

「今日はここに着いたばかりだし、様子を見るだけで戻ろう。本格的な討伐は明日でどうだ?」

「そうですね。賛成です」

取り敢えずシュバリエ山の地下に入る。中はひんやりしているが寒いほどではない。快適だ。しばらく歩くと上下に分かれる道が出て来た。

「恐らくここを下に行けば地龍のねぐらでしょう」

俺とユークリゥドは迷わず下への道を選んだ。

「空気が変わったな。ひんやりしている」

この空気は日本でよく味わった。死を匂わせる空気だ。

「私も感じます。しかし、私の経験からするとこれはSSSランク級の魔物・・・・・・。もしかしたら、地龍は虹龍に襲われて地龍がいた場に虹龍が居座っているかもしれません」

あくまでこれは推測だ。実際に見てみなければならない。数刻ほど歩くと開けた広間に出た。その中央に眠っているのは一頭の大きな龍だ。

「やはり・・・・・・。地龍は虹龍に襲われたようです。あの龍の横に骨がありますね。虹流の特徴は体表に生えている鱗が日に当たると虹色に輝く、頭に一本の角がある所です。全て、当てはまります・・・・・・ここは一度ツルクルに戻り、ギルドに報告しましょう。前情報なしで虹龍と戦うのは危険です」

あいつ、どこかで見たことがあると思ってたら日本で戦った事がある。

「ユークリゥド、あの龍と俺はやりあった事がある。以前俺のいた世界で暴れまわっていたのを俺が討伐に向かい、仕留め損ねたやつだ。胸の所の斬り傷は俺がつけたものだ」

俺の人生で八岐大蛇に次いで強敵だった。

「えっ!まさか虹龍が世界を渡ったと・・・・・・。初耳です・・・・・・。ツルクルに戻ったら調べてみます。それで、どうしますか?」

「あいつは俺が討ち漏らしたからな。俺が討つ」

そう言うと思ってましたと言いながらユークリゥドは了承した。

「ユークリゥドは手を出さないでくれ。まだお互いの事をあまり理解しあえてない。下手すれば邪魔しあって破滅する」

ユークリゥドは頷いて下がった。恐らく出てくるであろう雑魚を引き受けてくれるのだろう。

「さぁ、あの時は逃したが今回は逃さないぞ・・・・・・」

俺は俺なりの開戦宣言の言葉を紡ぐ。

「来い、八重桜」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ