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マテリアルドライブ  作者: ユーリアル
閑話群(設定にあるゲーム時代の小話です)
6/292

閑話「ある日のMD。ありがとう、忍者さん(三か月目すぐ)」

ネトゲーは時間の貯金箱です! 使えないけど。


時間軸はバラバラです。


ゲームであるマテリアルドライブ(MD)としての描写なので、

本編中とは描写、設定に差異があります。

読まなくても問題ありません。


ファクトはこんな奴だ、スキルはこんな感じなんだ、という参考やお楽しみになれば幸いです。

ネットゲームは苦行である。


楽しくないのなら何でやるのか?


正確にはネットゲームだけではなく、自分1人だけでやるゲームでも同じなのだが、

大抵のゲームは、時に延々と同じペースで同じことをやらなければならない時がある。


費やした時間がイコール、ゲーム内部での強さといったものに直結するネットゲームではそれが顕著だ。


そもそものLv上げという行為自体、ほとんどのゲームでは後半は自分との勝負だろう。


そんな苦しみともいえるものを解決してくれるものが、

ゲーム内部のコンテンツの楽しさであったり、パーティーというものだ。


だが、全てのプレイヤーがパーティーの恩恵を受けられるわけではない。


社会人であれば単純に時間が足りない。


あるいは、ゲームのプレイ人口やタイミングの問題もあるだろう。


ただ……



「俺みたいなのはそもそも、無理だよなあ……」


休憩中、頭をよぎったどうしようもない問題に、独り言が増える。


旧来のMDからリニューアルされ、所謂VRゲームへと移行してからはや数ヶ月。


世間は新しい刺激に活発になり、あらゆる場所で冒険が行われている。


圧倒的なモンスターの迫力、自らの手で生み出されるエフェクト。


全てにプレイヤーは魅了されていた。


俺は、プレイヤーの中でも少数派の生産タイプと言って良い。


Lvだけは高いが、その実力はランカーから見るまでもなく、一般的なプレイヤーからしても高いとは言いがたい。


どうしてもステータスやスキル類は生産用に偏っているからだ。


今は攻略重視の中、戦闘能力の低い自分を好んで誘ってくれるパーティーなどありはしない。


結果、どうなるかというと……ソロでの時間が増える。


今日もスレッジビートルというモンスターが出現するフィールドに俺はいる。


まずいわけでもないが、パーティーだとまったく旨みはない。


ドロップするものも、ここだけしか入手できない、というものはほとんどない。


所謂過疎フィールドだ。


ここに篭って2週間ほどになるが、他のプレイヤーに遭遇したのは数えるほどしかない。


とはいえ、俺自身の戦闘能力からすると、ここが一番経験効率的に良いのだ。


「お、みっけ」


いい加減聞き飽きた斬撃の音と、見飽きたエフェクト。


木陰にいたスレッジビートルへと、俺の攻撃がすんなりと決まる。


昆虫らしい声と音をたて、敵が消滅する。


後に残るのは鈍く光る石と角部分。


この石は加工スキルを経由することで武具素材の金属になるのだ。


倒す、経験を稼ぐ。


倒す、素材を稼ぐ。


そして、素材を使ってスキル用の経験を稼ぐ。


この繰り返しだ。


勿論、運良くパーティーに入れれば、その効率はまったく違うことだろう。


ただ、これまでの経験から言えば、こういった形で篭っているほうが

最終的に効率が良い、というのも残念な現実だった。


どのゲームでも、非戦闘タイプは厳しいものだ。



「これで500っと。まだまだだな」


集まった素材の数を確認し、一人つぶやく。


別に喋らなくても良いといえば良いのだが、さすがにまったく無言というのもじわりと来るものがある。


と、視界に動く影。


追加か、と崖を見上げると、途中に小さな動くもの。


「ん? あの角は…レアじゃね?」


少し離れているのではっきりとはわからないが、崖の中腹辺りにレアモンスターであるスレッジビートルの亜種というべき存在がいた。


通常2本しかない角が、中央に1本追加で合計3本になっている。


確か、公式発表では素材もレアなタイプだったはずである。


別に武器がすごいのが出来上がる!とか、強力な特殊効果が!というレア素材ではない。


なぜか、その素材を混ぜて作成をすると、それによる経験が最大4000%になるという。


つまり、40倍である。


その上、通常の作成素材に好きに混ぜることが出来るのだ。


そんなアイテムだが、モンスターそのものの出現率も不明で、

見かけたという情報もほとんどない。


誰かが独占しているのではないか?という噂も出る始末だ。


そんな相手が見える位置にいる。


これは、狙うしかない!


「って、変な場所にはまってる……バグか?」


かなり急な崖の中腹なので、どこかに移動して戦えるのを舞っていたのだが、まったく動く気配がない。


正確には、動こうとしているようだが何かに引っかかったようにまったく動けていない。


フィールドを構成する障害物が1部バグっているのではないだろうか?


「となると……このまま放っておくとメンテまであのままか?」


遠距離攻撃が可能なプレイヤーが発見したら、先に倒されてしまうだろう。


かといって、さすがに50mはあろうかという崖の中腹にはジャンプしても届かない。


武器を投げるにも、当たる自信は無い。

一撃当たったとして、その衝撃で強制移動になり、その後に逃げられては意味がない。


(うーん、上から回り込むにも難しいし、どうしたものか)


構えていた武器、オーソドックスなスチールソードという長剣を地面に突き刺しながら悩む。


その状態は地面に刺さった杭のようである。


なんとなく突き刺したままの剣の柄に飛び乗ってみる。


視線は高くなるが、目的の場所に届くはずもない。


スチールソードもひたすら戦っていたせいか、その耐久を減らして刃も切れ味を鈍くしている。


今なら指でなぞっても、切れやしないだろう。


武器としての価値が低下した今は、ただの気分転換用の足場であった。


(まてよ?……触っても、切れない……。これだ!)


鉱脈探知(マテリアルサーチ)!!」


剣から飛び降りて、まったく使っていなかったスキルを発動し、フィールドの金属分布を確かめる。


反応は良好、かなり調整が効く分量だ。


「よし、ならば次は…このバインドダガーで。そして武器生成-近距離C-(クリエイト・ウェポン)!!」


馴染みのスキルを発動し、敢えて切れ味を落としたナイフや長剣等を思うままに作っていく。


カウントは600から2000ほど。


今からやろうとしてることを考えれば十分な数値だ。


構えた武器の特殊効果は、拘束、である。


麻痺ではなく、自分と相手を特殊な力場で固定するのだ。


使い方によっては決闘のような形になるものだ。


さすがに離れた相手に投げつけてもこの効果は発動しないのだが……


「そうれっと!」


俺は狙いを定め、崖に向けて武器を次々と投げていく。


良い感じに突き刺さっていく武器たち。


上のほうに行くほど、しっかりとは刺さらず、刃が見えている。


このまま持ち手部分を掴んでしまってはすぐに抜けてしまうだろう。


そこで、切れ味を落とした刃の出番である。


まずは崖の直線に突き刺した長めの槍へ向けて助走をつけて勢い良くジャンプし、武器を足場に崖に飛びつく。


そして俺は武器を足場、あるいは手で掴む形で昇っていく。


忍者の塀昇りのように行けばと思ったが、

時折、刺さりが甘かったのか抜け落ちてくるものも数本あったが、なんとかほとんどは無事に役割を果たしてくれたようだった。


さすがに光る刃の部分をしっかり掴まないといけないときにはひやりとしたが、狙い通りにダメージは発生しない。


そして……。


俺の目の前でカサカサと昆虫系らしい音を立てるレアモンスターに俺はバインドダガーを突き立て、その効果が発動したことを確認する。


そのまま片方の手に持った武器で自分を固定し、逃げれない状態の相手を何回も攻撃していく。


いつ落下するかわからない恐怖と戦いながら、数分後に見事に撃破に成功したのだった。


「よっしゃ!」


そして目的の物、━神秘の燐粉━が入手できたことに声をあげ、ずり落ちそうになる自分を慌てて支えなおし、アイテムボックスから帰還用のアイテムを取り出して使用する。


自分を包む極彩色の光に目を細めながら、俺は満足感に浸っていた。






街に戻り、手持ちの材料で一番経験の入る作成をこなした時、次回アップデート日決定のアナウンスが流れた。


そのアップデートは、MDを混乱の渦に巻き込むものだったのだが、

その時の俺は久々に上がった作成Lvに興奮してまったく意識していなかったのだった。




---------------


○作成武器


なまくらな武器


タイプ:各種

刃があるものでも、既に鈍器。

研ぎなおそうにも、初期能力がそうなっているので、意味がない。


耐久だけは抜群。






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○他にも同時に連載中です。よかったらどうぞ
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