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27「ガイストールの闇-4」

ほぼ2話分。

結構駆け足なので、誤字脱字等あると思います。


すぐに微修正を行うかもしれません。


「深い……ですね」


魔法の明りが届かない暗闇に視線を向け、コーラルがつぶやく。


光の明滅の都合か、その体が細かく震えているような気がした。


彼女の手前、表には出していないが自分も薄ら寒さを感じていた。


夜の海や、新月の森のような闇しかないものよりも、

わずかな光がその闇の深さを感じさせるような光景。


扉の先は階段になっており、先ほどからゆっくりと降りているのだがゴールが無い。


時折、踊り場のような場所があり、少しまっすぐ進むとまた降りる。


時にはカーブもあり、確実に地下に降りていることはわかるのだが、

歩いている距離や、位置関係が曖昧なままだ。


幸いなことは、何かセンサーのような仕掛けでもない限りは

このような状況では奥に誰かいるとしてもこちらのことがわからないだろうということだろうか。


勿論、すぐそばにゴールがあるということも有り得るのだが、周囲の造りからしてもまだまだ先がありそうである。


魔力を吸い取る儀式はこの地下が中心になっているのか、何度も魔法の明りをともさなければならなかった。


今も、わずかずつだが光量が減っているのが見て取れる。


かといって余り強い魔力で明りを作れば、攻撃系統の魔法より魔力の量は少ないとはいえ、誰かに気がつかれないとも限らない。


自身のステータスとコーラルに確認を取ったが、今のところは減っていくというより自然に回復する量が制限されている状態だ。


戦闘が発生し、それが長引けば相当に面倒なことになるだろう。



そんな思考をよそに、地下への道は続く。


思うに、ここは昔の修行場か、何らかの礼拝堂のような場所だったのではないだろうか?


長く、時間の感覚がなくなりそうな時間を歩いて過ごすことで、自問自答をするというような。


事実、今は灯っていないが壁には本来は明りだったであろう何かが定期的に見て取れる。


そうでなければこの造りは不便極まりないし、誰か怪しい人間が作り上げたにしては、地上ではなく地下という空間を考えれば無理な規模だ。


「不思議です。下にいくほど嫌な予感はするのに、逆に気配がありません」


疲労なのか、魔力の減少なのか、はたまた両方か、コーラルの息が少し上がっているのがわかる。


「確かに妙な感じだな……ああ、気休めかもしれないが、これを」


外套の内側に忍ばせていた常備薬としてのポーションを1つ、手渡す。


例のごとく、ガラス瓶にしか見えない割に地面にたたきつけたぐらいでは割れない。


液体の見た目の色は悪いが、一応体力と魔力を両方回復する物だ。


とはいえ、自分自身としては使い道の少ない回復量ではある。


「はい! 何でも持ってるんですね」


「何、大人のたしなみさ。ジェームズだって備えはしているだろう?」


コーラルの純粋な言葉に、誤魔化すように熟練の冒険者であるジェームズを例えに出す。


彼も、予備武器の1つや2つ、常に忍ばせているし、ブーツの中にまでいざという時のお金やピッキング用具を持っていると聞いている。


ただ、薬草を忍ばせていると聞いたときには、それを使う彼を見るのはともかく、使う側にはなりたくないな、と思った。


頭の隅でそんな取りとめのないことを思い浮かべていると、視界に入る壁の様子が変わるのがわかる。


例えるなら、門から玄関へとたどり着いたような違い。


無言で、コーラルに合図を送り、自分自身はシルバーソードに手をかけ、先をうかがいながら進む。


角を曲がったところで見えた大きな門。


高さは俺の約2倍といったところか。


その扉は半分開かれており、その奥は暗闇かと思いきやほんのり明るい。


コーラルの顔に緊張が走るのを確認し、明りを消した上で俺は先頭に立って門をくぐった。



(誰か……いる?)


外から見た通り、中にはわずかながら光があり、なんとか周囲の状況を俺に知らせてくれた。


見えてきたのは本、本、本。


そして、足元に転がるガラクタ。


ただ壊れているにしては妙だ。


何かが、足りない。


と、コーラルが俺の服を掴み、首を振る。


「ここ、おかしいです」


小さな呟きには恐怖が混じっている。


「ああ、注意して進もう」


広さとしてはちょっとした体育館ほどだろうか?


物で入り組んだ中を進むと、明りの源らしき場所が見えてきた。


そして、そこに人影。


(!! 一体誰が!)



「おや、お客さんですか。おお、君ですか。思ったより速かったですね」


振り返ったのは、昼間に出会った金髪の若者。


だが、その表情は地上で見たものとはまったく違う。


どこかを見ているようでどこも見ていない。


何か、おかしい視線に表情。


「ここにいるということは、全てはお前が?」


「全て、となると難しいですが、今起きていることは自分の仕業ですよ」


あっさりと、青年は認めた。


「一体何のために! それに、ここは一体何!?」


コーラルが叫び、周囲を見やる。


杖を持つ手に力が入っているのがここからでもわかる。


顔には珍しく怒りの感情。


感情に従うように魔力がその体を包んでいるのがわかる。


「コーラル、今は抑えたほうがいい」


俺が言うが速いか、コーラルも魔力を吸い取る儀式が動いたままなのを感じ取ったのか、呼吸を整える。


「おや、ただの信徒ではないようだ」


「伊達に奇跡を起こしたわけじゃないさ」


俺は皮肉めいて答え、ここで何をしているのかを再度問う。


すると青年は大げさに両手を広げ、歌うように喋り始めた。


「私はこの場所で偉大なる上位精霊を復活させようとしているのです。君も知っているでしょう? 世界は精霊とともにある。水には水の、風には風の。だが、人間にも主従があるように精霊にも主従と言える立場があるのです」


「お父さんに聞いたことがある……とある呼び名は古の意思(エンシェントマインド)……でも、それはただの概念だって!」


「一般的にはそうでしょう。私もここを見つけるまではそうでしたよ」


青年が語るのは過去の歴史。


小競り合いを含めて国境線やモンスターと人間の住処とが入り混じったほかの土地と違い、

ガイストールは昔から人間の砦だった。


ゆえに、多くの伝承、伝説が残っていたようだった。


街を救うために様々な魔法を駆使した過去の勇者達。


中には所謂召喚魔法を用いた魔法使いもいたらしい。


モンスターの大群を前に、命を賭して偉大なる癒し手や

魔法使い達が召喚したものは精霊の上位存在。


これという属性を持たず、どれにでもなれる力。


世界のどこにでもいて、どこにもいない。


世界により近い精霊。


ゆえにはっきりとした自我は本来持たず、ただ流れるように力を流すのみ。


本来は自然現象、天災等の時にしか存在を感じられない相手を限定的ではあるが、

自らの味方として召喚に成功したのだという。


が、その力は当然のことながら巨大すぎ、かろうじて人間側への被害は抑えられたものの、多くの英雄が命を落としたらしい。


その際に、力の破片、精霊の分身ともいうべき存在が、力の干渉を受けて

ガイストールの地下、今いるこの付近に沈んでいったということだった。


大きな犠牲も払ったとはいえ、偉大なる精霊となれば人々はそれをあがめた。


だが、眠り続ける精霊には何も出来ず、あがめたところでご利益も無い。


そうなれば人は薄情なもので、熱心にあがめるものは徐々に減っていった。


いつしか忘れ去られ、わずかな年寄りと口伝を残して人々の記憶から消え去っていった。


「とある時に、夜の散歩をしているとめまいを覚えましてね、寄りかかったのが君達が入ってきた隠し扉だったわけです」


曰く、行き着く先で見つけたのは本の山と、水晶球。


「最初は何のための本かさっぱりでしたが読み続けるとすばらしいことがわかってきました。古の存在に関する証拠とその研究。なにより興味を引いたのは、復活への道しるべです」


そう言って青年はテーブルの上にある水晶球を撫でる。


気のせいか、中に何かがいて、嫌がったような?


「原理は単純でした。力を失った精霊には力を与えてやればいい。だが破片とはいえ巨大な存在です。自分ひとりの魔力では意味が無かった」


青年が生み出したのは周囲から力を集める方法。


力、即ち魔力であり精霊。


「ああ、最初は私も加減がわからず力あるものから問答無用で吸い取るというものでした。これはいけない。すぐに騒ぎになった」


「それが、宿泊した魔法使いの事件……」


青年から語られる内容に、俺もコーラルも動けないでいた。


やっていることからすれば、今にでも切りかかってとめるべきなのだが、まだ聞いておかなければいけないことがある気がする。


「今度はせっかく調整したというのに、少し敏感な人がこの場所に気がつきましてね。残念なことをしました」


青年の言葉に潜んだ事実、その内容に俺の脳裏に怒りと、とあることがよぎる。


「まさかっ、あの女性はっ!」


「おや? 彼女を知っているのですか?」


俺の叫びに、青年は心底不思議そうに俺のほうを向く。


「ああ、真面目そうな信徒の女性だったよ。儀式の水晶球がある場所を教えてくれた」


「そうでしたか。力の一滴まで利用させていただいたはずだったのですが……最後までおせっかいな人ですね」


青年が浮かべる笑みはどこか壊れ、言葉もずれていた。


「貴方はっ! 命をなんだと!」


「それだけじゃないな。その存在に、精霊を食べさせているだろう?」


手近なガラクタを手に取った俺の言葉に、

コーラルのみならず青年も驚きの表情を浮かべる。


手に取った鉱石のステータスは真っ黒。


名前も虚無の鉄鉱石、と始めてみる名前だ。


ただ、はっきりしているのはこれでは何も作れないということだ。


中に、精霊がまったくいないからだ。


「正しくは精霊を世界に戻している、というべきなのかな?」


俺はその鉄鉱石だったものを青年の側に投げ捨て、剣を抜く。


これ以上は聞く必要も無い。


この状況、青年の態度、全てが1つのことを指している。


「驚きましたね。君は余程素質があるらしい。これなら、不完全な今でも君1人でまかなえそうです」


青年はほくそえみ、懐から怪しく光る、青い石を取り出すと無造作に飲み込んだ。


「何をっ!? こ、これは!」


俺は突如青年からあふれるプレッシャーに剣を構え、コーラルは杖を前に突き出す。


「ふう……簡単なことです。かつての存在がそうであったように、この世に現れるには何かが媒体になる必要があるのですよ。最初の召喚の時も、一番力のあった魔法使いが存在の媒体となったそうですよ」


青年が喋るたび、呼吸するたびにプレッシャーを感じる。


力そのものはまだまだ弱い。


恐らく地竜には届かない。


だが、この感覚は単純な力を超えた先にある何かを伝えてくる。


「ファクトさん、この人を止めなきゃ駄目です!」


「応っ!!」


答えて素早く上段から切りかかるが、ぎりぎりのところで回避される。


「ははははは! 言ったでしょう。精霊は世界とともにあると。君の動きも、世界とともにあるのですよ!」


言って青年は手をこちらにかざし、何をと思うまもなく小さくつぶやく。


「くぅううっ!?」


途端、もれるコーラルの悲鳴。


俺も頭を襲う妙な重圧に吐き気を覚える。


咄嗟にステータスを開けば目に見えて減り始める魔力。


これは、まさか!


「気がつきましたか? 儀式の作用を君達だけに絞りました。さあ、どこまで抗えますか?」


青年は哄笑とともにふわりと浮き、その周囲をガラクタが覆い始める。


ガラクタは間違いなく精霊はいない。


そうなるとアレは単純に外から精霊ともいえない力をまとわせて浮かせているのだ。


と、半端無い勢いでガラクタがいくつも迫り、俺は慌てて回避したりコーラルに行きそうなものを叩き落す。


「1つだけ聞く! あの小さい精霊もどきはなんだ!」


コーラルも合間を縫って魔法を放つが、途中で掻き消えるかガラクタに当たってしまい、十分な威力を発揮していない。


このペースではすぐにでも魔法は打てなくなるだろう。


それに気がついた俺は隙を作るべく問いかけをする。


「ああ、あれですか。精霊の成れの果てですよ。世界に戻ることも出来ない、かといって物に宿ることも出来ない、まさに出来損ないみたいなものです」


青年はなんでもないように言い放ち、それが合図であるかのように攻撃が苛烈さを増す。


「そんな……貴方だけは絶対に!!」


コーラルが叫び、無防備に前に出てしまう。


「危ないっ!」


視界に入る光った何か。


まっすぐコーラルに突き進んでいた小さなナイフを、俺はコーラルをかばう形で体で受け止めた。


ずぶりと、深く刺さっていく感触。


直後、ダメージはほとんど無いはずの場所から脱力感が広がっていく。


「ふふふ……やはり君はすばらしい。そこのお嬢さんも良いですがね」


開きっぱなしのステータスでは、地竜との戦いからようやくある程度回復したはずの魔力が先ほどの比ではない速度で減少していくのが見えた。


「これは、最初から狙っていたな?」


よろけながらも立ち上がるが、足元がおぼつかない。


ダメージよりも魔力吸収と行動不能にさせるのが目的の攻撃だったのだ。


毒なのか、そういった能力なのかはわからないが、

麻痺に近い感覚が体を襲っている。


コーラルはそんな俺を支えるようにそばに駆け寄ってきた。


彼女も、かなりの魔力を使い果たしているに違いない。


「殺しはしませんよ。私が、この存在が熟すまで魔力を供給していただきます」


怪しく光る青年の瞳が俺たちだけを捉えていたその瞬間、視界の外から迫った槍が無言で青年の右腕を捉える。


「ガアアアアア!?」


半ばから千切れた腕をかばうように後退する青年から発せられる人外の叫び。


既に青年は人間を辞めているのか、獣のように吼えて距離をとった。


慌てて槍の繰り出された方向を見ればクリスと、壮年の男性。


聖職者というより、戦う神官、といった様相だ。


「おやおや、随分と可愛くなっちゃったね?」


「貴様がっ! 貴様が娘を!」


こんな時でも飄々としたクリスとは対照的に、憎しみで染まった表情でメイスを構える壮年の男性。


幽霊となってしまった彼女は彼の……


そこまで考えがいたった時、青年だったものが叫ぶ。


「小賢しい! 君達は歴史的瞬間に立ち会えるというのに何を愚かな!」


まとう力が怪しさを増し、どうみても精霊とが思いがたい光を放つ。


「駄目……あれはなんでもない力、正義でも悪でもない、ただそこにあるだけ。彼のいっていた伝承では人間が何かを守るために呼び出したから人間を守ってくれた。でも、今は!」


コーラルのつぶやきを採点するかのように、青年の姿が変化していく。


人間らしい部分は減り、モンスターを思わせる様相へと変わっていく。


それは、彼の中にあるゆがんだ欲望なのか、行き過ぎた思いなのか。


『私はっ!!!』


青年の叫び1つ1つが、力を伴って部屋の全てを揺らす。


クリスらも立っているのが精一杯という様子だ。


俺も、ナイフを何とか抜くが失った体の自由と魔力は今は戻ってこない。


『うっ!? ……大人しく私に従っていればいいのだ!』


(? 一体誰に!?)


青年の叫びは俺たちではない何かに向けられている。


この場にいるのは俺たちと青年のみ。


いや、正確にはもう1つ。


(古の意志は青年を良しとしていない?)


古の意志に今どのような自我があるかはわからない。


ただ、今のような規模の力であれば通常の精霊のようになっていても不思議ではない。


シルバーソードを杖代わりに、視線だけは青年へと向けて叫ぶ。


「コーラル、撃て!」


「で、でも今の私じゃっ! それに何の魔法で!?」


青年の力にすくんだ様子のコーラル。


その体ははっきりと震えている。


仕方が無いといえば仕方が無い。


冒険者だとしても、彼女は女の子なのだ。


何より、この状況は魔力に親しんでいるほど有り得ない状況だ。


「魔法使いの君ならわかるだろう!? 目の前の存在の悲しみが、目の前の出来事が如何に許されないことか!」


俺の叫びにコーラルはビクッと体を震わせ、眠れし森をぎゅっと握りしめる。


「精霊の……悲しみ」


ダメージ自体は受けていないクリスらが青年に襲い掛かるが、何かに阻まれるように攻撃は届かず、あるいは回避される。


力が上手く制御できていないのか、青年もうっとおしそうに残った腕を振るうだけだ。


「そうだ。古の存在がどんな相手かは関係ない。自分の意思に関係なく、あんな姿になっていることを誰が喜ぶ!? 少なくともあそこにいる存在はあんな姿、望んじゃいない!」


確証は無い。


ただ、武具を作るたびに微笑みかけてきた精霊たち。


その上位存在と言える古の意志が、あんなにゆがめられていいはずが無い。


「そうなの? 悲しいの?……そう、皆も、悲しいのね」


コーラルの前に立ち、最後の力を振り絞って迫り来るガラクタを払い、体で受け、彼女をガードする。


と、コーラルが雰囲気を変える。


見ればその姿は何かを掴んだ熟練者の姿だ。


「お願い! 力を貸して! みんな!! 森の魔手!(フォレストハンド)


眠れし森を掲げ、コーラルが叫ぶ。


唱えた呪文は木々のツタや枝で対象を縛る魔法。


だがここは明らかに石作りの空間。


熟練した魔法使いでも大きな効力は発揮し得ないだろう。


青年だったものも、それがわかるのかいやな笑みを浮かべるだけだった。


……その瞬間までは。


周囲に転がる、がらくだであった様々なものの中で無事だったもの。


それは書物。


様々な伝承を伝える書物達。


この世界でも紙は元々、植物だ。


そして知識の源であるそれは青年も精霊を失い、劣化することは回避したかったのか、

手付かずだった書物の中には精霊が隠れ住んでいた。


コーラルの声に答え、書物だった物が元である木々たちへと姿を変え、ツタとなり、しなる枝となって青年だったものに絡みつく!


『なんだと!?』


予想外の出来事に動きを止め、その拍子にか俺とコーラルだけを狙っていた儀式の効力が分散する。


「コーラル、飲み干せ!」


素早く途中で渡した物より魔力回復に特化したポーションを投げ渡し、コーラルも迷うことなく飲み干して杖を構える。


「どちらかが強制できるような物じゃない、物じゃないの!」


コーラルが叫び、特定の魔法ではない純粋な魔力の刃が放たれ、身動きが取れない青年だった物を貫き、その動きが止まる。



静寂。


俺たちの呼吸と、どこかに積みあがったガラクタが落ちる音だけが静かに空間に響く。


『私は……一体……ああ、すまない……』


4人の視線の先で、誰に向けての懺悔なのか、何事かをつぶやき、青年は崩れ落ちた。


その体から力が空中へと躍り出、拡散していく。


きっとこれが古の意志だった何かなのだろう。


俺とコーラル、そしてクリス達がしばし、その光景に見とれていた……



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