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over the sky  作者: ゆほ
7/9

Friday Afterschool ずっと・・・

あっ


という間の3日間だった。


まぁ実質は3日なかったけど、速かった。


しかももう放課後で何故か教室には自分以外には誰もいなくなっていた。


窓からグランドを見ていたらさっきまでバスケ部がランニングをしていたけど、今はもういない。


今頃は体育館で練習をしているのだろう。


私は体育館に行こうという気持ちにはなれなかった。


もしちゃんと付き合い始めたら、宮本は私のことを物足りなく思うんじゃないだろうか?


きっと部活優先になるだろうから、私だって寂しくて我慢できないとかなるんじゃないだろうか?


目が合うと宮本がニッコリ笑ってくれて、恥ずかしくても心地いい


それが-ずっと続けばいいなぁと思ってはいる。




ガラガラッと教室のドアが勢いよく開いた。


びっくりして振りかえるとバスケ部のユニフォームを着た宮本が息を切らして立っていた。


「なんで来ないの?それが返事なの?」


「いや、そういう・・・」


歯切れの悪い言い訳を言いかけていると宮本がツカツカとこっちへやって来た。


「みやも・・」


言い終わらないうちに抱きしめられてしまった。


走ってきたから宮本の心臓がドキドキしているのが分かる。


「今日でお終いはやっぱり嫌だから、もし藍沢が返事に悩んでいるなら、体育館行って、俺のプレー見て、それに惚れたって言って。」


プレーに惚れる。すごい自信だ。


そんなことを冷静に思う反面、宮本の抱きしめ方が強すぎて私の方までドキドキしてきた。


苦しくて宮本の腕の中でもがいて、なんとか顔を見上げてみたら宮本はものすごく真面目な顔をしていた。


体が動かない。


声も出せない。


ただ真っ直ぐ宮本を見つめてしまった。


体を離した宮本が突然私の腕を掴んだ。


「なに!?」


「5分で戻るって言って来たら急いで!」


えっ?行くんですか??


宮本に腕を掴まれているから引っ張られるように走った。


歩幅も違うし足の速さも違うから廊下を走っているだけでもめちゃめちゃ怖いよ~。


更に階段なんて宮本は先に降り切っちゃって、一瞬手が離れると思ったらそのまま引っ張られた。

私は階段の半分のところから宮本の胸に飛び込んだ。


「キャー」とか黄色い声が聞こえてきた。


見られてる・・・・


恥ずかしさ倍増・・・


宮本は気にすることなく私を体育館まで引っ張って行った。


く、く゛る゛しー


ぜーぜーはーはーしていたら、宮本は練習を続けていた部員達のところへ行ってしまった。


少し呼吸が落ち着いてきたので周囲を見たらバスケ部ファン以外はうちのクラスメート!


しかもほぼ全員!!!


千佳なんかニヤニヤこっち見てるし、うわっ千佳の彼氏までいる!!


なんてこった。


みんな本当に悪趣味だよ。


軽く睨んでみたけど、苦しくてそれどころじゃなかった。


明日あるという試合を想定してなのか試合形式の練習になっていて、3年生が引退したこともあってか宮本も2年生と一緒にプレーしている。


宮本はバスケ部の中でも背が高いからシュートのとき跳ぶ姿がものすごく大きく見えて、昨日見た高跳びより高く遠く跳んでいる気がした。


ドキドキする。


でもこのドキドキはすごく心地いい。




明日も明後日もこのドキドキが続いたらいいのに・・・




なんでこんなにドキドキするのか、その理由は分からないけど、この気持ちは本物だから


だから・・・




ピーーーーーッとホイッスルが大きく鳴った。


ゲームが終了したらしい。


宮本がこっちを向いた。


こっちをじっと見てる。


私も宮本をじっと見てる。


何か、何か言わなきゃと思うけど、言葉が出て来ない。


どうしていいのか良く分からなかったから、両手で大きな丸を作って見せた。


宮本がシュートを決めた時のように嬉しそうにガッツポーズをしている。その姿を見たらこっちまで嬉しくなって笑い返してみたけど、きっとくしゃくしゃなヘンな笑い顔だったと思う。


クラスメート達からの歓声が聞こえてきた。




宮本も私も笑ったままだった------------










本編はこれで終了です。番外編を2つ計画中です。そちらもよろしくお願いします。感想ありましたら嬉しいです。


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