大和作戦-カッパの上陸
スゥー、スゥー。
ハンドサインで仲間に合図する。
M4を前に向けて水中スクーターで川を進む。カッパのように。
でも、暑い
0500
大和作戦 作戦海域
自衛軍特別艦隊 FFM桜 山本司令官/艦長
「機関停止!」
「てーし!」
海上自衛隊護衛艦いずも、まや、いかづち。海上保安庁あきつしま、いず、あしたかの特別編成艦隊に合流した。予定通りの到着だ。
航空隊もいずもの甲板に離陸準備をしている。
「いずもより連絡。予定通り、0600より作戦開始ができるそうです。」
「了解。カワセミを頼むと伝えてくれ。シールズと特戦艇は?」
「両隊とも航空自衛隊浜松基地で、特戦艇と輸送役のチヌークのパラディン4-1も準備中です。シールズが到着とほぼ同時刻で輸送開始します。シールズは現場空域にもうすぐで到着します。」
格納庫にはCCM Mk1型哨戒艇が準備している。特殊作戦舟艇隊のイエローバイキングだ。彼らは何かしらの回収担当だ。おそらく、部隊や捕虜を回収する予定。武装もM2機関銃を2門積んでいる。
「シールズは何でくるん?」
「C-17です。」
0530
自衛軍 後方支援連隊第17輸送航空隊 C-17
シールズチーム ゼウス0-1 中野悠人
「機内の減圧完了。隊員の装備、確認完了。」
「風速は3、視界は良好。」
「降下誘導員、スタンバイ。敵影なし。バイキングはパラディンにより輸送中。」
「よーしお前ら、朝飯抜きでの作戦だが、敵は関係ないぞ。」
ヘイロー降下の前はいろんなことを考える。基本としては、ハッチが開いた時の景色はなにかだ。
すると、輸送機後方のハッチが開く。
「ゼウス、ちょうど朝日が見えているぞ。」
いいものだな。
「降下スタンバイ!」
『地上、誘導員より。マスター。コース良し、用意用意。降下降下!』
では、行ってきます。
特大ジャンプ!
0555
東京都江戸川
自衛軍TF-2 カッパ1-0
「釣り竿を持った先遣隊到着です。」
「あぁ、確認した。役者が揃いつつあるな。」
水面から少し顔を出しつつ、目標の建物と先遣隊のSITが見える。SIT本隊の合図待ちだ。
川にはTF-2のメンバー、15名中、10名いる。もう5名は支援組として対岸のワゴン車とボートを積んだトラックから狙撃や通信の支援だ。
ちなみに、作戦は、支援組にいる機動隊のサーチライトで目標を照らす。その後、川から浮上した俺らとSITが同時に張り付き、ライト消灯後とほぼ同時に突入する。
「合図は?」
「まだです。」
合図は俺らのTF−2の旗だ。潜水服を身に付け、銛を持ったカッパだ。デザインの考案はシールズの副隊長と司令官だ。この部隊らしい旗だ。肩のワッペンも同様のものがある。
色は青とオレンジ色であるため、とても分かりやすい。間違えも起きない。
隊長、全部隊作戦行動開始まで3分です。
SITは何しているんだ。
SITとの合同作戦だ。俺達だけでもやれなくはないが。
「お、隊長!」
「あぁ、確認した。指揮本部、こちらカッパ。合図確認、合図確認!」
『作戦指揮本部よりカッパへ。きゅうりが置かれた、繰り返す、きゅうりが置かれた。きゅうりに喰らえつけ。SITは待機中。』
旗が振られ、指揮本部からの行動許可が出た。
後ろから強力な光が建物に向かうと同じに浮上する。無論、隠れながらだ。
『こちらSIT 1班。出入り口に到着。』
『こちら2班、大窓に到着。』
『こちら支援班。敵は移動している、熱源及び音響情報では敵はバルコニーに集まりつつある。』
「こちらカッパ。こちらも位置についた。」
「行け!」
ライト消灯
爆薬設置、ドア破壊
ハンマーで窓を破壊。隣にいる隊員がフラッシュバンを投げ込む。
ガラス破壊、フラッシュバンを投げる
SITも同時に突入した。フレンドリーファイアーに気をつけつつ、侵入する。
前に敵、2!
「伏せろ!」
「警察だ!」
武装していなかった。
敵2人を押し倒し、拘束用のポリマー樹脂のハンドカフを使い、手足を拘束する。
「クリア。」
「トイレなどにもいません。」
SITの隊員が報告してくれる。
「ありがとう。オーバーロード、こちらカッパ。目標制圧。敵は2人だった。これより後方回収部隊及び警察に引き継ぐ。オーバー」
『こちらオーバーロード、了解。回収機として、パラディン4-2を派遣。3分で到着予定、無線をつなぐ。』
『こちらパラディン4-2。到着まで3分。回収に備えてくれ。基地に送り、その後は追って指示がくる。了解かな?』
「カッパ、了解。後は頼みますね、SITさん。」
「分かりました。」
潜水装備を拾い上げ、回収地点に置いていく。
支援組のスナイパーたちも到着した。一部の装備品は後方支援の部隊がやってくれる。
着陸地点を確保、安全確認。
「パラディン4-2、着陸地点確保。」
『4-2了解したよ。』
どくどくと感じるチヌークの音が響いてくる。
ガンナーが手を振っている。
「呑気な奴らめ。」
それより、ゴーグル、外したい。暑い。
『4-2、到着。着陸地点確認!』
大きく旋回し、侵入するMH-47。
『着陸するぞ。』
「乗るぞ!」
使用した装備品を持ち、ヘリに乗り込む。
本当に重い装備品を機内の通路に固定し、席に座る。
「はぁー。」
ゴーグルタイプを外す。
「離陸するよ。」
地面から離れた。
あれ。カッパなのに空飛んでる。
「関係ないすよ。」
心を読んだのか?
「いいえ。」
עִבְרִית。
「読めません。」
どっち?
「どっちでもいいです。」
.....。
ゴーグルと帽子を取る。
「あちぃ。」
あぁ。生きてる。
何言ってんだって? まぁ、察しろ。
次回
大和作戦-海と空
TF−2は直ちに出撃準備。
隊長、リトルバード4が来ました。
AR-57を持つ。
俺は、今生きてる。
さぁ、行こうか




