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エピローグ 鬼龍叶

 いつもよく通るその交差点は魔の交差点と噂され、確かに事故が頻発していた。

 そしてその交差点には二人の霊がいた。一人は悲しげな表情をして彷徨う女子高生。もう一人は険しい表情をしたまま交差点を見つめる男子高校生。恐らく数年前に事故で亡くなった高校生のカップルの霊だろう。

 たぶん男の子の方は自分が死んでいる事にも気付いていない。


 そしてこの二人の霊はお互いの存在に気付かずにいる。このまま放っておけば事故は続き、どちらか、下手すれば二人とも怨霊になってしまうかもしれない。


 流石にそれは見逃せない。そう思った私は男の子の霊と接触してみる事にした。思った通り男の子に自分が死んでいる自覚は無く、霊の存在にさえ否定的だった。

『霊を否定するなら自分を否定する事になるよ』

 そう言ってみたかったが、そんな事を言って彼を不安定にして怨霊化を早める訳にはいかないのでぐっと堪える。


 私は彼と会話を重ねながら彼女の霊の存在を彼に信じ込ませる事が出来た。

 彼を再び交差点まで連れて行くと、二人はようやくお互いを認識し抱き合って喜んでいた。


 死んで霊になってるくせに私よりも幸せそうだな。


 ひねくれた私がそんな事を思いながら二人を見つめていると、二人は最後に礼を言って旅立って行った。私も流石に笑顔で見送る事にする。


 あなた達霊は、しっかりと向き合い話せばちゃんと話を聞いてくれる。私の事を変な奴だ、変わった奴だと言って虐めたりもしない。私の容姿に嫉妬して攻撃したりもして来ない。人間と居るよりあなた達と関わっている方が私は気が楽だ。


 さてと次はどんな()と会えるかな。


           縛られた想い ~完~

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