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素顔
「え?」
振り返ると、そこにはリュウがいた。
バレないようにと、ダテメガネをかけ、ニット帽を被り、おまけに髪型までウィッグとエクステとをアレンジしたその日限りの髪型の彼は、テレビ画面のなかで輝くアイドルとはまるで別人だった。
アイドルとの共通項と言えば声ぐらい…
「じゃあ、俺先入ってる」
そう言って彼は、個室を取って予約していた店の中に入って行った。
しばらくして、私もそこに入る。
個室の戸が閉まったのを確認して、彼はバレないようにと準備してきた武装を解く。
「本当にリュウくん?」
「目の前に居るのに信じてくれない?」
「そうじゃなく、なんか夢みたい」
「俺の直感、間違ってなかったわ」
「え?」




