mission:『雪だるま(snowman)』
懲りずに書いた、なろうラジオ大賞3参加作品二作目。疲れてた時のノリと勢いで書いてます。
『こちらSmith。仕事は完了した、これより帰投する』
真夜中の路地裏を一人の男が駆け抜ける。とある大国の暗部に属する凄腕だけあって、完全な暗闇にも関わらずその足取りに迷いはない。
『こちらJohn。了解した。帰還後Smithはしばらく休めとボスが仰せだ』
『了解。……とは言ってもなぁ』
同僚から告げられた言葉に男はため息をついた。
『どうした?』
『いや………』
何か問題でもあるのかと心配する同僚に対し、男は歯切れの悪い返答をよこす。
『どうしたSmith?何かあったのか?』
『あー、大した事じゃないんだ』
『取り敢えず言ってみろよ』
『……俺たちの仕事って、後ろ暗い事ばっかだろ?』
『そりゃ国の暗部だからな』
何を当たり前のことを、と同僚が答える。
『偶にはその、真っ当な事は出来ないもんかと思ってね。正直、辛くなる時があってな』
『あぁ……成る程』
いくら暗部の人間でも、後ろ暗い事ばかりやっていると心が軋んでしまうものだ。
偶には真っ当な事をしたいという心情は、同僚にも理解できるものだった。まぁ、実行は無理だろうが。
『ふむ………成る程な』
同僚と二人ため息をついた時、イヤホンから別の男の声が響く。
『げっ、ボス……』
『お前らの考えは分かった。ちょっと上と掛け合ってくる』
暗部の人間として失格だと怒鳴るのかと思いきや、上司はそれだけを告げて通信を切る。
『……何をする気だ?』
『さぁ?』
残された男達は二人、互いに首を傾げるのであった。
◇
「で、何ですかボス、この仕事は?」
「見ての通りだ、ガキ共に飯を食わせに行くぞ」
「そりゃ騎士の仕事でしょう?まだクリスマスでもないのに」
この国では、毎年クリスマスに騎士団が炊き出しを行なっている。年に一回くらいは腹一杯食わせろとの御上の指示だ。
「クリスマスを迎える前に餓死するガキを、見捨てるわけにはいかねぇだろ?俺たちはお綺麗なサンタにはなれねぇが、クリスマスまでガキ共を守る薄汚れた妖精くらいにはなれるだろうさ」
成る程、騎士が来るまでの裏工作とは、いかにも暗部らしい仕事じゃないか。最高だ!
「行くぞ。mission『雪だるま』、作戦開始だ!」
字数きっつい……。
他のワードも使って連作にしようか考え中。




