“竜の窯”
【あー…この辺だな】
「ルーキスが居て助かった…。“竜の窯”に永遠に辿り着けなかったかも」
ラーシャはルーキスに先導してもらいようやくニアが予約してくれた店“竜の窯”へと辿り着いた。
「やっぱり、待ち合わせる時はニクスを連れて行ってもらった方がいいね!」
【全く…いつでもセルジュ達と一緒に居られるわけ無いだろ】
「はいはい。お小言はまた今度!ここのお肉美味しいらしいよ!」
ラーシャの言葉にルーキスの尻尾がフリフリと揺れる。
【うまいのか…?】
「すっごく。竜の満足度、ジルジの中で一番だってさ」
ラーシャの言葉にルーキスは生唾を呑む。
「今日は卒業記念だからね。食べ放題だよ」
【よし、行くぞ!ラーシャ!!】
「あ、ルーキス!!ちょっと待ってよ!」
ルーキスが先に意気揚々と店内へと飛んでいき、慌ててラーシャが追いかけて中に入った。
店員に予約している事と、先に連れが来ている事を告げるとすぐに個室へと案内してくれた。
「ラーシャ!待ってましたわ!!」
扉を開けるとニアが嬉しそうに出迎えてくれた。
「先に適当に頼んじゃったぞ。ルーキスは肉だろ?みんなと食べられるように山盛りステーキ頼んでおいたぜ」
【ソル…!お前がこんないい奴だとは思わなかった!】
「え?酷くない?」
ちょっとショックを受けるソルを無視してルーキスは機嫌良さそうに、先に山盛りステーキを食べているニクス達の元へ行くと早速頬張り出した。
「お待たせー。何頼んだの?」
「串焼きとか、フライ系頼んだ。ここってフルルフの肉とかあるんだよ」
「え!?フルルフ!…興味ある」
セルジュの言葉にラーシャは目を輝かせてニアの隣に座る。
フルルフと言えば、初めてルーキスと会った時に追いかけられた魔物だ。今となってはいい思い出である。
「魔物の肉ってあんまり食う機会ないもんな」
「そうそう。魔物って危険だから普段は騎士団とか許可も貰った猟師の方じゃないと狩れないんだよね」
「ふふ、ここのお店のオーナーさんは猟師さんなので魔物の肉が提供出来るそうですよ」
そんな話をしていると扉が開いて、店員が飲み物と料理を運んできた。
湯気が立ち上り焼き立てだとわかるフルルフの串焼きや、鳥の香草焼き、野菜や猪形の魔物であるファイボアのフライが並べられる。
「やっば…!うまそっ…!!!」
ソルが生唾を飲んで手を伸ばそうとすると、その手をパシンッとニアに叩かれた。
「ダメですわ、ソル。最初は乾杯からですわ。さぁ、みなさんグラスを持って」
「これ何のジュース?」
琥珀色の液体で中で泡が弾けてていて、凄く美味しそうな匂いがする。
「あぁ、ここの特性リンゴソーダだって」
「美味しそう…!」
「美味しいですわよっ!では、卒業を祝しまして、乾杯!」
「「「かんぱーい!!」」」




