囚われた子竜
部屋に入ると、中は結構広かった。学校の教室で言うと五個分くらいだろうか。
両サイドの壁一面が檻になっており多くの子竜が閉じ込められていた。
子竜は力なく横たわっている者もいれば、檻から出ようと火を吹いたりしている者もいるが、檻はびくともしないようだった。
「この子達はみんな捕まったのかな…?」
「そうみたいだな。子供と言っても竜の攻撃を耐えられる檻か…人間が壊すのは流石に無理かな。鍵が必要だ」
ラーシャは頷いて辺りを見回すが鍵がありそうな場所なんて無い。
「この部屋には無いのかな?」
「ラーシャはルーキスを探してて。もしかしたらさっきの二人組が持ってるかもしれないから見てくる」
「え、でも危ないよ?一人で大丈夫?」
「あぁ、ここまでは通路が真っ直ぐ伸びてるだけだったし、向こうはニクスが守ってくれてる。…こっち側の敵は倒したから問題ない」
セルジュがそう言って部屋から出て行くと、ラーシャは両サイドの檻をよく見ながら奥へと進んでいく。
子竜の怒った鳴き声がラーシャの心をギュッと締め付ける。
「あなた達も助けるからね」
だから、どうか人間を嫌いにならないで欲しい。せっかく竜の国に生まれたのに人間と一緒に生きる楽しさを知らないなんて、勿体無いのだから。
契約する前にルーキスにも言った言葉。
すごく懐かしく思えた。
「ルーキス…」
ポツリと呟いた瞬間、ハッとしてラーシャは顔を上げた。
この部屋の最奥から何か感じる。
それが何なのかわからない。でも何か感じる。
「ルーキス…?そこにいるの?」
小さく呟いてもその声は子竜達の叫びで掻き消されたが、ラーシャは気にする風もなく走り出した。
最奥はただの壁だが、でも何かを感じる。
壁を触ってよく調べてみても全くわからない。
「もう!何なのよっ!!」
ラーシャは焦りと苛立ちをぶつけるように思いっきり壁を蹴り飛ばした。
シューリカに見られたら絶対に怒られるが、今日だけは勘弁してほしい。
するとバコッと音がして壁が少し沈んだ。
「え!?私!?私が壊した!???」
焦ったがよくよく見てみればどうやら隠し扉のようだった。
どうしようか一瞬、躊躇したがやはり気になる。
ラーシャは力いっぱい押して、扉を開け放つと部屋の中へと踏み入れた。
部屋は先程の部屋よりもずっと狭く、ラーシャ1人分くらいが入れる小さな檻がいくつか置いてあった。
ほとんどが空っぽだったが、奥に置かれた檻だけには眠った子竜が1匹入っていた。
そこ子竜は白なのだが、光の加減で鱗が虹色に輝いている。
「ルーキス…!」
ラーシャは声を震わせて、ルーキスの元へと駆け寄った。




