さぁ、みんなで
傷を負ったカルミアのメンバーと騎士達の治療が終わると、瓦礫の撤去作業を行なっていた第八騎士団は、残りを第五騎士団に任せてジルジへと戻る事になった。
カルミアのメンバーが入った檻とメンバーの相棒である竜達を入れた檻の二つを、第八騎士団の竜達が一つの檻に対して四匹がかりで運ぶ。
ラーシャ達は、一番下になるので檻を運ぶメンバーに加わろうとすると、デイルに引き留められた。
「ラーシャ達は、ニア嬢たちを屋敷に送ってあげて。僕達はそのまま駐屯所に戻るから。屋敷にいるフリーラには救出は成功したと伝えてあるけど、早くニア嬢たちに会いたいだろうからね」
「わかりましたっ!」
ラーシャ達は、デイルから指示を受けてすぐに準備を始める。
【戻るなら、エルが皆さんをお乗せして、一瞬で帰りましょうか!?】
目を爛々に輝かせるエルにラーシャは、苦笑して首を横に振る。
「流石に、治療を受けたばっかりのエルにそんな負担は掛けられないよ。ナイラもだよ。大怪我したんだから安静にしないとね」
ラーシャの言葉にナイラは、納得いかなそうな顔をする。
【あっしは、もうこの通り元気でさぁ!全然問題なく飛べますぜ!】
「ナイラ、今回はラーシャの言う通りだぜ?飛んでる最中に力尽きたら洒落にならないからな」
ベインの言葉にナイラはしょんぼり肩を落とす。
【心配性が過ぎやすぜ…】
それでも、ナイラは大人しく指示に従う事にしたらしくベインの頭の上にちょこんと止まる。
「エルも今日は飛行はやめましょうね?」
【そんなぁ…】
残念そうにエルが項垂れる。
それを見て、セルジュは苦笑すると少し考え込む。
「エルとナイラが飛行出来ないって事は、ニクス、ルーキスとティルティに乗って行くとになるけど…。ティルティは身体大丈夫そうか?」
【私も問題ないわ。ただ、ダルテは治療してもらったとは言っても、心配だから誰か支えてあげて欲しいんだけど】
「じゃあ、俺が…」
ティルティの言葉に、ベインが申し出ようとするが思い止まる。
「いや、俺はニクスに乗せてもらう約束だからな…」
その言葉でベインの言葉の意図に気付いたセルジュがすぐに頷いた。
「そうだったな。だからここは…」
そう言ってチラッとセルジュがニアの方を見ると、ティルティの話を聞いていなかったラーシャがニコニコしながらニアに話しかけようとしているではないか。
それを見て、ニクスはクスッと笑う。
【おやおや、さすがラーシャ。みんなの気遣いがわかってないね】
軽口を叩くニクスに軽く睨むとセルジュは、どうするか悩む。
その間にラーシャはニアに声を掛けた。
「ニアは私と一緒に…「ニア!ダルテ一緒にティルティに乗ってやってくれ!!」
ラーシャの言葉を遮って、慌ててセルジュが叫ぶとニアは顔を赤くする。
「わ、私ですか!?」
「ああ!頼む!ベインは俺と乗るから、他にダルテを支えてくれる奴がいないんだ!」
一気に捲し立てるセルジュに、ニアは一瞬気押されたが、すぐに頰を赤くして頷く。
「わかりましたわ。…ラーシャ、せっかく誘ってもらったのですが…」
セルジュの声に圧倒されて固まっていたラーシャはすぐに我に返ると、笑って首を横に振った。
「ううん。気にしないで」
ラーシャの言葉にニアは嬉しそうに笑って頷くと、ダルテの元へと走っていた。
【ニアと乗りたかったのに残念だったな】
ルーキスはラーシャが乗りやすいように身を屈めながら、揶揄うように言う。
すると、ラーシャは苦笑して頷くとルーキスの背に乗った。
「しょうがないよ。今はニアも私よりもダルテと一緒にいたいだろうし」
それから、ラーシャはみんなが竜に乗り込むのを待って、高らかに声を上げた。
「さあ!みんなが待ってるジルジに帰ろうっ!!!」




