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竜使いのラーシャ  作者: 紅月
勇気と無謀と思惑
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要求

 ラーシャはフォルテに視線を移す。

 フォルテはチラッとラーシャを見て、少し緊張したような表情をして頷くと背負っていた鞄を下ろして中が見えるように口を大きく開く。


「これで見えるか?」


 中身を案内した女が確認して、バルコニーにいるアルティに合図を送る。

 それに満足したようにアルティは、頷くとニアの顔がラーシャ達によく見えるようバルコニーの縁に彼女の体を押し付けた。


「では、人質交換と行こうか」

「おい、待てよ!!ダルテはどうしたんだよ!?無事なんだろうな!?」


 フォルテの言葉にアルティは意外そうな顔をする。


「あれに友達がいたとはな」

「はぁ?ふざけんなよっ!!」


 声を荒げるフォルテにアルティは肩を竦めさせた。


「お前達は本当に血の気が多いな。自分達の立場がわかっているのか?ギャーギャー騒ぐなら、取引をやめて今すぐ人質を殺したっていいんだぞ?」

「くそが…!」


 唸るようにそう言って、フォルテは黙り込む。

 そんなフォルテの肩をセルジュは掴むと後ろに下がらせた。


「もう一つ確認させて欲しい。ニア達の竜は無事なのか?…お前達が襲った酒場の店主の竜も」


 セルジュの問いにアルティはせせら笑う。


「もちろんだ。竜の国の民は竜を大切にするものだ。傷一つ付けてなさいさ」


 アルティの、傷が付いたら売れないからな、とラーシャ達に聞こえないくらい小さな声を隣にいるニアは聞き逃さなかった。

 ニアが押さえ付けられながら、睨むがアルティは全く気にする素振りを見せない。


「質問がもう無ければ取引だ。虹霓竜を小さくさせて、身代金の入った鞄を彼女の元へ運ばせろ。…ああ、その前に小銃は捨ててもらうおうか。引き渡しの際に撃たれたらたまったもんじゃ無いからな」


 アルティの要求にラーシャは歯軋りすると、セルジュと目を合わせる。

 セルジュは首を横に振ると、小銃を前方へと投げ捨てた。

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