表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜使いのラーシャ  作者: 紅月
勇気と無謀と思惑
574/831

藪蛇

 ラーシャの言葉にベインが目をギョッとさせて、慌てて首を横に振る。


「やめろやめろ!!そんな事したら、俺も残業しなきゃいけなくなるだろ!藪蛇みたいなことしてんじゃねぇよ!」


 あまりにも必死に捲し立てるベインに驚いて、目を丸くするラーシャ。

 それを見たセルジュが笑いを噛み殺して、なんとか真顔を作る。

 笑って説得なんてしたら説得力に欠けてしまうから。

 そうして、セルジュは落ち着いたところで口を開いた。


「想像してみろ。ラーシャが残業したら、日勤の先輩騎士方達も、残業をした方がいいのか困惑して帰り難くなるだろ?」

「そ、そうかな…?」


 ラーシャの反応に、まだ押しが足りないと判断したセルジュはさらに続ける。


「もし、それで結局みんなで連続勤務なんてしたら、みんなの明日の仕事の質が落ちる。そうしたら、困るのは市民だ」

「た、確かに…」


 動揺するラーシャにトドメとばかりにセルジュはさらに畳み掛けた。


「それに、先に帰ったロベリエに明日凄く責められるぞ」

「…」


 それが決定打だった。

 セルジュの容赦ない三連続攻撃に、ラーシャはぐうの音も出す事が出来ない。


【えげつない】


 ルーキスの感想に、ナイラも頷く。


【的を居ているだけあって、反論の余地もねぇですね】

【まぁ、しょうがないよね】


 ニクスが苦笑しながら言うその横で、ラーシャは肩をガックリ落とす。


「わかったよ…。今日は大人しく帰る」

【そうした方がいい。それにラーシャは魔力をほぼ使い切ったんだろ?】


 余計な事を言うなとばかりにラーシャは慌てて、ルーキスのその口を掴んで黙らせるが時既に遅しで、セルジュは顔を顰めた。


「それなら、尚更残業してる場合じゃないだろ?父さんの稽古も休んだ方が良いんじゃないか?」


 口調がちょっと怒っているセルジュに、それ見たことかとばかりにルーキスを睨め付けるが、ルーキスはどこ吹く風である。

 ルーキスを恨めしく思いつつ、セルジュの怒りを回避しようと、ラーシャは笑顔を取り繕う。


「大丈夫だよ!もう結構回復したし!それに魔力の消耗が激しいからっていちいち休んでたら、いざって時に動けないじゃない」


 騎士になりたての頃の自分とは違うのだ、と胸を張るラーシャにセルジュはため息をつく。


「だからって、あんまり無理するなよ?」


 心配そうなセルジュの言葉にラーシャは、コクコクと何度も頷く。


「わかってるよ。大丈夫、無理しない程度に頑張るから!そんなに心配しないで?」


 このままでは、セルジュの説教コース真っしぐらだ。何とかして話を逸さなければ…。

 ラーシャが頭を悩ませていると、不意に「騎士のお姉さん!」と声を掛けられた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ