医務室にて
ラーシャは重たい瞼をゆっくり開いた。
「あ、れ…ここは?」
見慣れない白い天井にいまだにぼーっとしている頭で考え、ここが医務室である事に気づいた。
「そっか、私落ちたんだ」
起きあがろうとして、右肩が重い事に気づき頭だけ右側に向けると小さくなったルーキスが顔の横で丸くなり頭を肩に乗せて静かな寝ていた。
さっきまで暴れていた子だとは思えない可愛い寝顔にラーシャはクスッと笑ってルーキスの頭を撫でる。
するとルーキスがパチっと目を開いた。
【ラーシャ…?】
「おはよう、ルーキス」
ラーシャがニコッと笑いかければルーキスは慌てて起き上がった。
【目を覚ましたのか!?身体は!?大丈夫か!?】
ラーシャも起き上がるとルーキスの膝の上に乗せる。
「私は大丈夫。ルーキスは?もう落ち着いた?」
【…悪い。オレのせいでお前を危険な目に合わせて…】
項垂れるルーキスの頭を撫でながら、これは話し合うチャンスだとラーシャは思った。
どうして試合中あんなに取り乱してしまうのか、今なら聞ける気がした。
「ねぇ、ルーキスはどうして…」
ラーシャがそう話を切り出すのと同時に扉が勢いよく開いて、二人は驚いて扉の方を見るとニア達がそれぞれ自分の竜を肩に乗せて入って来るところだった。
「あぁ!ラーシャ!!目を覚ましたのですね!心配したんですよ!!」
「落ち着けってニア、ラーシャはただ寝てるだけだって言ってただろ?」
「そういうソルも帰りまでずっとソワソワしてただろ」
一気に賑やかになった医務室にラーシャは苦笑してみんなに手を振る。
「心配かけてごめん。みんな助けてくれてありがとうね」
【本当ですよー!本当に冷や冷やしたんですよぉ!】
【1番感謝すべきはルーキスの方だろう。お前の大事なパートナーを助けてやったのだ。お礼の一つがあってもよかろう?】
ベルナデッタの言葉にルーキスは“ぐぅ”と唸って本当に小さな声で【…ありがとう】と呟いた。
【声小さいね】
ニクスがクスクス笑うのでルーキスはギロリと睨みつけたが、全く気にしてないようでずっと笑っている。
しばらくラーシャ達が談笑しているとフラウが入ってきた。
「お、ラーシャ目が覚めたか。顔色が良さそうでよかった。ていうか、お前達。ラーシャが目覚めたら報告しろって言ったよな?放課後なんだからさっさと帰れよ…。ラーシャ、兄貴に連絡して迎えに来てもらうか?」
フラウの言葉にラーシャは首を横に振った。
「ゼン兄、今竜の密猟団の張り込みしてるとかであんまり家に帰って来れないくらい忙しいし、もう体調も良くなったから一人でも帰れるよ」
「そうか…。なら、ちょっとこの後話せないか?…二人きりで」
フラウのいつになく真剣な顔にラーシャは困惑した顔で頷いた。




