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竜使いのラーシャ  作者: 紅月
異変と激動と動き出す運命
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パーティー準備

「エビフライ揚がったよ!!持って行って!!!」


 ソルの実家の厨房で彼は姉である、シアがそう叫ぶと、すかさずラーシャが駆け寄りエビフライが綺麗に山盛りにされた大皿を受け取る。


「うっ…!」


 予想以上に重い皿に、ラーシャが一瞬よろけると、慌てて近くにいたシーラが支える。


「ちょっと!!大丈夫!?」

「だ、大丈夫…。思ったよりも重かっただけ」


 ふんっ、と気合を入れて何とか立て直すとラーシャはゆっくり歩き出す。


「落とさないでよ!?」

「わ、わかってるから、声を掛けないで…!」


 ヨロヨロと食堂に向かうラーシャを心配そうに見た後、シーラはため息をつくと高く積まれた皿をヒョイっと持ち上げて、ラーシャの横を通り過ぎる。

 それを見たラーシャは、目を丸くする。


「さすが…ここで一年働いてるだけある…!!負けてらんないっ!」


 ラーシャもバランスをとりながら、シーラに負けじと厨房から食堂にエビフライを運んだ。


 今日はセルジュが帰って来る日。

 夕方にはジルジに着くとの事で、ソルの家で帰還パーティーを開催する事になりラーシャとニアはパーティーの準備をするために、一足先にソルの家に来ていた。

 そして、もう一人…。


「ロベリエ、そこの花飾りを取って下さいませんか?黄色ですわ」

「黄色黄色…っと、はい」

「ありがとうございますわ」


 ニアと共に食堂の飾り付けを楽しそうにしているロベリエを見て、ラーシャは密かにホッとため息をつく。

 世界樹の試練から戻って来てから、少し気まずかったが、誘ってよかった。

 今日は深夜勤だから準備から手伝うと自ら言ってくれた。


 最近はずっと思い詰めた表情ばっかりだったから、少しは気分転換になればいいけど。


 ラーシャはテーブルの上にそっと山盛りのエビフライ皿を置いた。


「おお…!崩れないで運べた!!」

「はいはい、偉い偉い。ほら次よ、次」


 シーラはラーシャの背を押しながら急かす。


「もう少し、褒めてくれればいいのに」

「何言ってんのよ。エビフライ運べたくらいで。…で?ベインはいつ来るの?」


 厨房からミートボールが山のように積まれた皿を受け取りながら、シーラが声を掛ける。

 ラーシャも熱々のグラタン皿を受け取った。


「あちっ…。ベインは今日は早番だから、夕方かな?ちなみにベインには今日のパーティーに於いて超重要人物を連れて来る予定になってるんだ」

「超重要人物?」


 シーラは首を傾げて、考えるが全く該当する人物が思い当たらない。


「女王陛下?」

「まさか。そした、第零騎士団がジルジに大集合だよ」

「えー、誰?全然わからないわ」


 困惑するシーラを見てラーシャは満足そうに笑うとグラタンをテーブルに置いた。

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