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竜使いのラーシャ  作者: 紅月
異変と激動と動き出す運命
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探し人

 リズベルトはほんの一瞬だけ、真顔になるとすぐに表情を和らげた。


「いいえ。誰ですか?ルガルトって…」


 そう言って首を傾げるリズベルトを見て、リーツェはあからさまに落胆の表情を見せた。

そして、力無く首を横に振る。


「すまない…忘れてくれ…」


 リーツェの悲しそうな顔に、リズベルトも困ったような表情をした。


「もし、その人を探しているなら僕の人脈で見つけましょうか?」


 そう進言するリズベルトにリーツェは手でシッシッと払う。


「構うな。もう行け。…くれぐれもこの国で変な事はしないように。常にあたし達が目を光らせている事を忘れるな」

「肝に銘じておきますね」


 そう言ってリズベルトは、ベルに促され謁見の間を出た。

 出て直ぐにフォルテはやっと息がしやすくなり、大きく深呼吸をする。


【楽しかったね!また来ようね!!!】


 嬉しそうに顔の前でパタパタと飛びながらラソがそう言うと、フォルテは顔を引き攣らせた。


「…しばらくしたらな」

【うん!いつにする?ねぇ?】

「…」


 とりあえず聞こえないふりを決め込むフォルテの頭に乗ると、髪をくしゃくしゃにしながらラソが、ねーねー、と声を掛け続ける。

そんな中、リズベルトがベルの肩をツンツンとつつく。


「ねぇねぇ、僕、城の観光したいんだけど」

「ダメです。このまま真っ直ぐお帰りください」


 ベルは即答すると、ちょうど目の前を通った騎士を呼び止める。


「ジルヴァ、ちょうどいい所に」

「ベル、どうかしたのかい?」


 呼び止められたジルヴァは立ち止り、不思議そうな顔をする。

 彼はレトがスノウコルドに乗り込んだ時に、エルドラの能力スキルで姿を借りていた騎士だ。


「この方達を城の外までお連れしてあげて」

「いいけど…ベルは?」

「私は女王陛下に用事があるのよ」

「わかった。任せて」


 快諾してくれたジルヴァにベルはフワリと笑みを浮かべて礼を言うと、直ぐに謁見の間へと戻って行った。


「じゃあ、ここからは僕が城外へ案内しますね」


 人当たりのいい笑みを浮かべて、案内をしようとするジルヴァの腕をリズベルトが掴んだ。


「どう…されました…?」


 突然の事に驚くジルヴァにリズベルトは、満面の笑みを浮かべる。


「何か悩んでるんじゃない?僕にちょっと話してみなよ!」

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