表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜使いのラーシャ  作者: 紅月
過去と挫折と約束
52/934

試合開始

【行きますよおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!】


 そう叫び声をあげながら、閃光のように一瞬で真っ先に誰よりも早く天高く昇るのはエル。

 エルの飛翔速度は群を抜いて早い。そして、そんなエルを乗りこなせるニアのポテンシャルの高さにラーシャは思わず感嘆の声を漏らす。


「やっぱニアはすごい…」


 前に一度、ソルがエルに乗りたいとお願いして乗せてもらった事があるが、エルのあまりの速さに一瞬気絶した。

 しかもその時はいつもニアを乗せている半分のスピードしか出していないのだと言うのだから恐れ入る。

 ソルもセルジュもニア達ほどスピードは出せないが、飛行技術はかなり安定している。

 多くの死戦を潜り抜け“獄炎の女帝”と戦場で名を轟かせていただけあって、ベルナデッタの試合での好戦的な振る舞いはまさに女帝。

 ソルの指示をガン無視して、相手を挑発するだけ挑発して相手の攻撃が当たるか当たらないかで避けてソルに的確に攻撃のチャンスを与えてやる。

 正直、対戦したくない相手ではある。

 そして今、ベルナデッタの餌食になっているのはシーラ。

 シーラの相棒である緑竜、ロスタはベルナデッタに挑発されシーラ同様カンカンに怒ってベルナデッタ達を追いかけ回していた。

 これなら、しばらくはラーシャ達にちょっかいを出す事はないだろう。

 セルジュの相棒でありルーキスの兄でるニクスはとにかくセルジュと共に冷静で戦況をよく見ている。

 少し離れたところで試合の流れを的確に読み、助けが必要な場所へとすぐに駆けつけてきてくれる。

 主にラーシャとルーキスを助けに入っているのだが、それでもニアとソルのサポートもこなしている。

 ニアとエルが戦場を掻き乱し、その隙をソルとベルナデッタが突き、セルジュとニクスが必要に応じてサポートをする。

 実にバランスの取れたいいチームだとラーシャは思うのと同時にどれ程自分が足手纏いなのかを痛感する。

  その瞬間、首筋にチリッとした痛みが走る。


 来る!


 ラーシャはハッとして痛みの方向を向く。


「ルーキス!四時の方向!!ベインとナイラがこっちに来るよ!!上昇して逃げるよ!」

【…っ、ああ!】


 何かを堪えるような声で頷くと、ルーキスはすぐに上に舞い上がる。それを見たベインが悔しそうに舌打ちをすると、ルーキスを追いかける。

 ラーシャといえばこの2年間弱すぎて的にされていたせいで、自分に危害を加えようとする視線を敏感に捉えるのが得意になってしまった。

 そのおかげで逃げるのも上手くなった。


「残念!私たちは簡単に捕まらないわ!」


 ラーシャは得意げに後ろから追いかけてくるベインに向かって叫ぶ。

 その時、再び首筋に痛みが走りすばやく周囲に視線を巡らせれば10時の方向に先ほどまでフォルテと共にニアを追いかけていたダルテがこちらに向かってくる所が視界に入る。


「ルーキス!10時の方向に敵!9時の方向に旋回して急降下するよ!」

【…】


 ラーシャが指示を出すがルーキスの反応はない。


「ルーキス…?」


 声をかけた瞬間、ラーシャは息を呑んだ。ルーキスの身体が小刻みに震えているのだ。

 何に怯えているのか、ルーキスがこうなってしまってはもうラーシャの声は届かない。

 ルーキスは旋回する気がないらしく、真っ直ぐ前へと突っ込んで行く。

 このままでは、ダルテにカラーボールを当てられてしまうがラーシャにはどうする事も出来ない。

 ラーシャは覚悟を決めると顔面にボールが当てられてもいいように目をギュッと強く瞑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ