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竜使いのラーシャ  作者: 紅月
異変と激動と動き出す運命
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報復

「どうなんだ?」


 リライに凄まれライゼは唸り声を上げた後、ガックシと肩を落として懐からある広告を取り出してリライに見せた。


「…なんだこれ?」


 そう言って、リライは広告に視線を落とす。


 “元第八騎士団長、あの“黒鉄の断罪者”が教える武術教室!!集え!!武術に興味のある国民よ!”


「…」


 絶句するリライを見て、ライゼは気まずそうに笑う。


「ほ、ほら、インパクトって大切だと思わない?」

「…ろ」

「え?」


 広告を見つめながら、ボソッと呟くリライの声が聞こえずに、ライゼは聞き返した。


「ごめん、もう一回言って」

「この広告の謳い文句やめろ!!!書き直せ!!このクソみたいな広告まだ配ってないだろうな!?」


 あまりのリライの剣幕に、ライゼは目を逸らす。

 それだけで全てを察したリライは怒りに身を振るわせながら、ライゼの胸ぐらを掴む。

 ライゼは顔を引き攣らせた後、やがて観念した。


「えへ…配っちゃった」


 このまま投げ飛ばしてやりたい衝動をグッと堪える。


「どれくらい…?」

「うーんとね、結構ばら撒いたかな?…はは、グラキエとアビーに街中に今巻いてもらってて、学校の掲示板にも貼ってもらう予定なんだ…。後、デイルに駐屯所に貼ってもらう手筈に」

「ぶっ殺す!!」


 怒りに身を任せてライゼを思いっきりぶん投げた。

 ライゼはギャン。っと声を上げながら、勢いよく立てかけて掛けてあった扉にぶち当たり、一緒に外へと吹っ飛んで行く。


「テメェ…!そのダッサイ異名を使うなって言ったよな…!!!今までどんだけ馬鹿にされたと思ってるんだ!」

「ご、ごめ…」


 扉の上でヒクヒクしながら謝るライゼの身体には、傷一つない。

 さすがは竜使いと言うべきか、身体が無駄に丈夫だ。


「だが、叩きのめしがいはあるな」


 そう言って、指の関節をボキボキ鳴らしながらリライはライゼに躙り寄る。


「お、おち、落ち着いて…!暴力は良くない!!良くないよ!」


 必死に宥めようと叫ぶがライゼの声はリライに届く事はない。


「騎士団だって気まずいのに、なんでわざわざ駐屯所に貼るんだ?舐めてんのか?殺されたいのか?」

「ち、ちが…!じゅ、需要が…!!」

「言い訳してんじゃねぇ!!」


 じゃあ聞かないで…!と言うライゼの言葉は、顔面にのめり込んだリライの拳に封じ込められた。



 …ちなみに、武道教室はリライの予想を反して意外と生徒が集まった。


「僕のおかげだねっ!」

「うるせぇ!!!!」


 調子に乗ったライゼが再びリライにぶん殴られたのは、言うまでも無い。

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