表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜使いのラーシャ  作者: 紅月
異変と激動と動き出す運命
499/828

可愛い弟

 ルーキスはラソを連れ立ってスノウコルドを目指していた。


【お兄ちゃん!だんだん雪が見えてきたね!】


 背後から無邪気なラソの笑い声が聞こえ、ルーキスは笑って頷く。


【そうだな。ラソはスノウコルドは久しぶりか?】


 ルーキスの質問にラソはちょっと考えてから頷く。


【フォルテとは来たことないし、千年以上前かも】

【…そうか】


 表情を曇らせて、ルーキスはラソが後ろで良かったと切に思う。

 もし、今の表情をラソが見ていたらきっと落ち込むだろうから。

 それにしても、よくフォルテがラソを連れ出す事に同意してくれたと思う。

 絶対拒否すると思っていたのに、事情を説明したら渋りながらも了承してくれた。

 フォルテもきっと、ラソの異変に気づいているのだ。

 今ならまだ何とかなる。

 その為には、兄であるニクスの協力が不可欠だ。


【ふふ、ニクスお兄ちゃんボクたちが急に来たらびっくりするかな?】


 まるで悪戯っ子のように笑ってラソが言う。

 純粋無垢で可愛い弟に、これ以上傷付いてほしくないと、心から願っているとハッとする。


【どうやら、ニクスもオレ達が来た事に気づいてこっちに向かってるようだ】

【本当?いいなぁー、お兄ちゃん達はボクと違って居場所がわかるんだもん。ボクもお兄ちゃん達がどこにいるのか、わかるようになればいいのに…】

【練習すればお前もわかるようになる】

【んんー、頑張る…】


 素直に頷くラソにルーキスは苦笑した。


【でも、わかるようになった所で相棒と離れてまで、会いに来るような事もあまり無いけどな】

【そんな事ないよ!お兄ちゃん達が近くにいるってわかるだけで、ボク嬉しいもん】

【…そうか。お前は本当にオレ達が好きだな】


 ルーキスの言葉にラソは満面の笑みで頷いた。


【うん!大好きだよ!!!】

【…】


 ルーキスは無言で速度を緩めると、ラソの隣に来るとギュッと抱きしめた。


【えー!何々?お兄ちゃん?どうしたの??ふふ、飛び辛いよー!】

【少しだけだ】


 くすぐったそうに笑うラソにルーキスは優しくそう言って抱きしめる。


【二人仲良さそうでいいなぁ、ボクも仲間に入れて欲しいんだけど】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ