今度はみんなで
ラーシャ達は街の隅に降り立つと、早速観光客が多く集う通りへと向かってみることにした。
「ドルアーデに来てよかったな。土地勘無くても看板のお陰で何となく行きたい場所がわかって助かるぜ」
「そうだね。さすが観光地って感じだよね」
ソルの言葉にラーシャも同意して周りを見回す。
街の至る所に看板や地図があり、現在地や目的地が把握し易くなっている。
同じ観光地のテヘラもこんな感じなのだろうか?
テヘラに行った時は、ミラの葬式で頭がいっぱいで街並みを見る余裕なんて無かった。
「今度はテヘラにも行ってみたいな」
ラーシャの独り言のような呟きにソルは微笑む。
「そうだな。そしたら、今度こそニアとそれからセルジュも誘ってみんなで遊びに行こうぜ。…あ、その時は花束も持っていかなきゃな」
「どうして?」
「テヘラってミラさんの故郷だろ?ラーシャ達がお世話になったんだから、友人として挨拶しないとな。それにミラさんのしてる指輪はお金を貰った俺にとっての初仕事の作品をしてくれてるんだ。お礼も言わないとな」
そう言ってニッと笑うソルにラーシャは目を開くのと同時にドクンッと心臓が大きく跳ねて、驚いて胸を慌てて押さえる。
「どうした!?具合悪いのか!?」
胸を押さえるラーシャにソルも不安そうに顔を覗き込む。
「悪くない!大丈夫だからっ!!」
ラーシャはそう言ってソルとの距離が近い事に気づいてススッと離れて距離を取ると深呼吸をする。
「本当に大丈夫か?少し顔が赤いけど、熱とかあるんじゃね?」
「顔が赤い…!?」
ソルに指摘されてラーシャは慌てて頰に触れた。
確かに顔が熱い。でも、熱があるとかでは無いと思う。
「わ、わからないけど熱はないと思う。…ほら、もういいからとにかくお店とか見て回ろう!!」
ラーシャはそう言ってソルの背中をグイグイ押しながら、観光客向けのお店が集まる通路へと急ぐ。
ミラに対する思いを話すソルの顔を見てたら、いつもよりも大人びていて、かっこいいと思ってしまった。
「こんな事、ソルには恥ずかしくて本当のこと言えないよ…!」
ソルには聞こえない小さい声で、ラーシャが叫ぶがその後ろを着いていくルーキスとベルナデッタには聞こえていたようでニヤニヤと笑う。
【全く、ソルの耳がもっと良ければのう。今のラーシャの呟きは貴重ぞ】
【ラーシャの考えてる事が手に取る様にわかるのに、ソルは何で風邪だと捉えたかが謎だな】
【あやつは、ああ見えて鈍感だからのう】
ベルナデッタは呆れてようにため息をつくがすぐに、機嫌が良さそうに笑う。
【だが、今日のデートはやはり面白いのう。ソルの困惑した姿を存分に楽しめる】
【鬼だな】
ルーキスにそう言われてもベルナデッタの機嫌は悪くなる事は無いし、今日一日は何を言われても許せそうな気さえした。




