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竜使いのラーシャ  作者: 紅月
それぞれの覚悟と夢と試験
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帰ってくるまでは帰れない

 セルジュの案内で騎士団のいる空き地へと向かうとニクスは優雅にそこへ舞い降りた。

 松明で照らされた空き地には、第八騎士団と契約を終えたソルとニアが待っていた。


「セルジュ!お前も契約出来たんだな!」


 ニクスから降りるセルジュに気がついてソル達が駆け寄ってきた。


「あぁ、ソルもニアも契約出来てよかった」

「えぇ、何とか素敵な黄竜と契約出来ましたわ」


 そう言ってニアは肩に乗ったエルの頭に撫でる。


【ええ、ええ、エルもニア様と契約出来て本当に良かったと思っておりますよ!これからの生活が楽しみですねぇ】

【本当にうるさい奴だ。貴様は少し黙っていられんのか。全く…】


 ソルの頭の上で、ベルナデッタが不機嫌そうにため息をついた。


「黄竜に赤竜か。いい竜だな」

「ありがとうございますわ、セルジュは黒竜ですのね。キラキラしてて美しいですわね」

「確かに。あんまり見ないよな」


 三人がそう言いながらお互いの竜を紹介していると、一人の女性騎士が近寄ってきた。


「はいはい、紹介し合うのはいいけど竜との契約報告忘れないでね?」


 セイラと名乗るその女性騎士はそう言ってセルジュに報告するように促す。


「セルジュです、黒竜と契約しました。名前はニクス」

「ニクスね。…はい、オッケーよ。じゃあ今日だけ、貴方と契約した竜で帰宅してもいいわよ」


 セイラの言葉にセルジュは首を傾げた。


「報告した人から帰っていいんですか?」

「そうよ?」


 セルジュはソル達の方を見ると、二人は心配そうに頷いた。


「まだ、ラーシャが帰ってこないんだ」

「えぇ、明日の朝までが期限なのですけど心配で…。夜の森は危険ですし」


 ニアはそう言って頰に手を当てた。


「ですから、こうやってここで待っていますの。待っているからって何か出来るわけではありませんが」

「それにゼンもここに残ってるしな」


 ソルはそう言って、先程のセイラと話しているゼンを指さした。


「妹が心配だからって貴方は早番なんだからもう帰りなさいよ。ここは夜勤の私がいるから大丈夫よ。貴方、明日も早番でしょう?」

「わかってる。最悪、一日寝なくても大丈夫だって」

「大丈夫なわけないでしょ!仕事に差し支えるでしょ。ダメって言っても聞かないわよね…全く、シスコンも程々にしなさいよ?じゃあラーシャが帰ってきたら起こしてあげるから、小屋で少し寝てなさい」

「ありがとう!じゃあ頼むな!」


 ゼンがセイラに礼を言うとそそくさと、小屋へと入って行く。

 会話を終えたセイラがため息をつくとこちらに振り向く。


「貴方達も早く帰りなさい。一日中森の中で歩き回ってて疲れたでしょう。家に帰って休んだほうがいいわよ」


 セイラの言葉に三人は顔を見合わせると、セルジュが代表して首を横に振った。


「ラーシャの試験時間が遅れたのは俺のせいだ。それなのに先に帰るわけにはいかない」

「それに帰っても心配で寝られねぇよな」

「待ってても差し支え無ければここにいさせていただきたいですわ。明日は学校も休みですし」


 セイラは今日何度目かわからないため息をつくと頷いた。


「わかったわ。じゃあ、寒いから小屋の中で待つか、松明の下で待ってなさい。風邪引いちゃうからね」


 三人はセイラに礼を言うと、いつラーシャが帰って来てもいいように松明の下に陣取ると夜空を見上げで帰りを待つ。

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