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竜使いのラーシャ  作者: 紅月
異変と激動と動き出す運命
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辿り着いた真相

 慌ててライゼが手を伸ばすがその手はシリルには届かず、あっという間にシリルは小さくなって行った。


「グラキエ!彼女を追おう!」

【ダメだ!あの子はすぐに離れろと言った!それに嫌な予感がする!離れるぞ!!】

「見殺しにする気か!?」

【そうだ!!こればっかりはお前の言うことを聞いてやれない!!】


 グラキエはそう叫ぶと、その場からすぐに離れる。


 その様子を仰向けに落下しながら見ていたシリルは安堵すると身体から力が抜け、右手から種が滑り落ちる。

 “種を蒔く者”の機密を口にしようとした瞬間、自分の意思に反して身体が勝手に動き出した。

 そこで、シリルは全てを理解した。

 ジェーンもケインも自分の能力スキルで死んだのは、自殺じゃなかった。

 “種を蒔く者”に殺されたのだ。

 彼らの中に、どういう原理かまではわからないが人間を自在に操れる能力スキルを持つ者がいる。

 それをライゼに伝えられなかったのは心残りだが仕方ない。

 その時、種が発芽できる場所に到達したのか身体の中の魔力が暴れ出し、能力スキルが強制的に発動した。


「くっ!ああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」


 無理矢理、放出される魔力のせいで身体を焼き尽くすような痛みに襲われシリルの口から絶叫が迸る。


 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いっ!!!


 激痛に涙を流しながら耐えていると、不意に下から生暖かい空気を感じて頭から血の気が失せる。

 下を向くのと同時に視界いっぱいに大きな口が入り込み、次の瞬間シリルはその口の中へとその身を落とした。

 最後に耳にしたのは、自分の身体を骨ごと噛み砕く音と、最後の抵抗をしようとする自分の叫び声だった。





【こんな大きな食人花見たことないぞ!?】


 離れたところからグラキエが叫ぶ。

 突然現れた食人花はシリルを喰らうと、そのまま身体を大きくしてついには先ほどまでライゼ達がいた場所まで到達した。


「…シリルはまだ助けられるかな?」


 ライゼの言葉にグラキエが首を横に振る。


【あの大きさだ。口に入った瞬間に噛み砕かれてるだろうよ】

「そうか」


 ライゼはそう言って竜紐を外すと立ち上がった。


「グラキエ、僕が食人花に触れられるところまで行って」

【正気か!?捕まったら喰われるぞ!?】

「わかってる。でも近づかないと僕は何も出来ないから」


 ライゼの空気は冷え切っており、それはグラキエもわかっていた。

 こうなったライゼはもう誰にも止められない。

 グラキエはため息をついた。


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