反抗
エルドラはわずかに同情しながらも今度はアルスに焦点を当てる事にした。
「アルス、君に至っては合格した事自体、驚いたでしょう。君は自分が絶対に落ちるとわかっていた筈ですから」
エルドラの言葉にアルカスが驚いて、アルスの方を見る。
「どう言う事だ…?」
「…」
アルスは深く俯いて口を閉ざす。
それを見た、エルドラが代わりにアルカスの疑問を晴らす。
「アルスは最初から合格する気など無かったんですよ。…彼女は筆記試験を白紙で出しているのですから」
「は…!?どう言う事だ、アルス!!」
アルスはグッと、拳を握りしめるとアルカスに顔を向けた。
「どうもこうも聞いた通りだよ!私は騎士になんてなりたくない!!」
「なんだと!?お前のためにどれだけ金を積んだと思ってるんだ…!」
その言葉にアルスは半笑いをして首を横に振った。
「私のため…?違うでしょ!?本当は騎士になれなかったお父さんの夢のためでしょ!自分の夢を娘の私に押し付けないで!!!」
「…っ!?」
気の弱いアルスが反論してくると思っていなかったアルカスが言葉を詰まらせた。
「私はもうお父さんの言いなりにはならない。そんなに騎士になりたかったら自分でなればいいでしょ!」
アルスは肩で息をしながら、今まで父に言えなかった事を言えてスッキリした気持ちになる。
もう謝っても許してもらえないだろうが、これでいい。これでいいのだ。
これでやっと息が吸いやすくなるだろう。




