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竜使いのラーシャ  作者: 紅月
再会と覚悟とスノウコルド
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問題児

「ところで、セルジュ。お前はラーシャ達と同じチームじゃないだろう。何故ここにいる?」


 セルジュのチームは確か、今日は非番だったはずだ。

 イヴァンの質問にセルジュは言いにくそうに目を逸らしてから、諦めて口を開く。


「ニクスは夜が好きなので、ニクスと一緒に散歩を…」

「城壁の外をか?」

「いや、その…はい」

「セルジュとニクスだけで夜の散歩を?」

「…すみませんでした」


 受験生が任務以外城壁外での夜間飛行は原則禁止である。

 イヴァンは盛大なため息をつくと、頭を抑えた。


「全く、試験監督って言うのはこんなに手が掛かるのか…今まで受け入れてたジェスターに今度差し入れでもするか…」


 ジェスター率いる第四騎士団が管轄するドルアーデでは、新人が勝手な行動をしたりなかったのだろうか。

 いや、しないと言うよりは、したとしても、うまく対処していたのだろう。


 肩を落とすセルジュにイヴァンは質問の続きをする。


「それで?散歩しててラーシャ達を見つけたのか?」

「いえ、普段は城壁からそんな離れないので。…ただ散歩してたら真っ直ぐ空に向かって光線が走ったのを見たので。ラーシャ達が助けを求めてるってわかっただけです」

「ほう、それだけでか?」


 疑うイヴァンにセルジュは苦笑いを浮かべた。


「前に一度、ラーシャと密猟団のアジトに乗り込んだ時があって、その時騎士団の人達に助けを求める時に同じ事をしたので今回もきっと助けを求めると」

「なるほど…密猟団と…」


 とんだ問題児だと内心悪態を吐きながら、この前通信した時に何も言ってなかったデイル達を恨む。

 知ってたら、セルジュ達をもっとマークして自由にさせなかったものを。

 そう思ったところで、その考えをすぐに捨てた。

 セルジュ達が駆け付ける事が出来たから、ラーシャ達は助かったのだ。

 自由にさせておいてよかった。

 それに今回は幸運な事に虹霓竜の白と黒竜がいるのも大きいだろう。


「死竜を倒したの功績はセルジュにもあるのだろう。今回は咎めないが、次は無い。肝に銘じておけ」

「…はい」


 イヴァンとセルジュは立ち止まってミラとシンシアの遺体と対面した。

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