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竜使いのラーシャ  作者: 紅月
再会と覚悟とスノウコルド
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お膳立て

 霧散した闇は再び集まると、巨大な鳥籠へと姿を変えて死竜を閉じ込める。


「ガァァァァァァァァッ!」


 己の能力である闇の力が一切使えなくなり、逆に自分が閉じ込められたことによって死竜が狂ったように鳥籠の中で暴れ回る。

 ニクスはそれを見て楽しそうに笑う。


【無事に制御できて良かった!いやぁ、本当に危なかったね。セルジュ、助かったよ】

「俺も危なかった。ラーシャ達に助けられたんだ。後でお礼を言わないとな」

【そうだね。…っ!まったく、往生際が悪い!!】


 闇が使えないと悟った死竜は、暴れるのをやめると咆哮を上げ今度は雷を落とす。

 それも今までの比ではなく、無数の雷が襲い掛かり逃げる場所などない。


「オルフェ!」

【わかってる!】


 いつものオルフェからは想像出来ない咆哮を上げると、全ての雷を引き寄せてその身に受ける。


「オルフェ大丈夫なの!?」


 驚くラーシャにアルスは少し得意げに頷く。


「お、オルフェは、た、戦うのとかにが、苦手なんですけど、結構強いんですよ…!たしょ、多少の雷はノーダメージです!」

「あれが…多少…」

【すこし、オルフェの事舐めてたな…】


 ラーシャとルーキスは死竜の雷を受け切ってピンピンしているオルフェを見て思わず引いてしまう。

 闇も雷も封じられてしまった死竜は最後の能力である風を使い、再び竜達を吹っ飛ばそうと目論む。


【今度はさせえねぇですぜ!!】


 ナイラがそう叫ぶと、死竜が閉じ込められている鳥籠ごと土壁で覆い尽くす。


「ナイラ!風が止むまでそこで食い止めろ!!」

【任せてくださぇ!!絶対に食い止めやす!!】


 内側からの風圧で、土壁にヒビが入るがすぐに修復し死竜の攻撃を耐え切り、風が止み終わった後、土壁は粉々に砕け散った。 

 全ての攻撃を封じられ、死竜が狼狽える。

 しかも、風の竜玉とはまだ馴染み切っておらず風の力を使用した後は少しの間、身体を動かす事は出来ない。

 ルーキスが溜めていた力も溜まり、今が死竜にトドメを刺す最大のチャンスだ。


【さぁ、ルーキス!お膳立てはしたよ!!後は君の番だ!】


 ニクスの言葉にルーキスはニヤリと笑った。


【あぁ!任せとけ】


 ルーキスが立ち上がり、死竜を見据えた。


「じゃあ、アルス、ベイン、作戦通りの場所に移動して!!セルジュはそこで待機してて!」


 ラーシャの指示でベインとアルスはそれぞれ自分の竜の背中に乗ると左右分かれて指定された場所まで移動する。

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