チーム分け
残されたノエルはため息をつくと、咳払いをした。
「で、では、これから四チームにチーム分けしまーす!!一次試験の全体順位一位から四位までの方は隊長を、五位から八位までの方は副隊長をやってもらいます。その他の方は成績に関係なく順不同で名前を呼びますので指定されたチームに移動してくださーい」
ノエルがそう言うと番号の書かれた看板を持っていた騎士達がノエルの元に集まり、そのうちの四人がバナナ、リンゴ、モモ、ブドウの描かれた看板を持って横一列に並んだ。
その看板を見て受験生達は、ん?と思ったが誰も何も言わない。
心なしか、看板を持っている騎士達も少し恥ずかしそうに下を向いている。
「じゃあ名前を呼びまーす。一位、バルギルザ管轄地区出身キルディ」
一番にノエルに名前を呼ばれてキルディが、誇らしげに胸を張って前に出る。
「はい!」
「バナナさんチームです」
「は?」
思わず聞き返したが、とりあえずバナナの看板の方へと歩いて行くキルディ。
「あんな奴が一位だなんて…」
「大体、ああいう奴が頭良かったりするんだぜ?世渡り上手ってやつだな」
ラーシャが気に入らなそうに呟くと、ベインがクスクス笑いながら言った。
「二位、スノウコルド管轄地区出身ルシェ」
「はい」
「リンゴさんチームです」
「…。ノエル副団長」
「どうしました?」
ニッコニコしながら、ノエルが首を傾げてルシェを見つめる。
「もう少し、チーム名なんとかなりません?」
ルシェの言葉にこの場にいる全員が同じ事を思い、全力で心の中で同意をした。
ノエルは笑みを崩さずに頷いた。
「なりませんね!」
「…そうですか」
ルシェは頷くと、今度こそ大人しくリンゴの看板の前へと移動した。
「次、三位、ジルジ管轄地区出身ロベリエ」
「はい!」
「モモさんチームです」
ロベリエはラーシャ達に手を振ると軽い足取りで看板の前へと向かっていった。
「ロベリエ、すげぇな…」
「実技も筆記も得意だって言ってたもんね…」
ラーシャとベインも手を振ってロベリエを見送りながら、そんな話をしている間もどんどん他の受験生の名前がどんどん呼ばれて行く。
上位八位には絶対入らないだろうという絶対的な自信のあるラーシャは、余裕で呼ばれて行く人たちを眺めている。
【余裕そうだな?】
「うん、だって絶対にまだ呼ばれないし」
【…なんだ、その自信。もっと他のことで自信持てよ…】
ルーキスは呆れたように言って肩を落とす。
「七位、ジルジ管轄地区出身」
ノエルのその言葉にラーシャとルーキスの肩が跳ねる。
こ、これは…。まさか…。
ラーシャとルーキスが顔を見合わせた。




