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竜使いのラーシャ  作者: 紅月
卒業と試練と騎士団
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衝撃

「これ」


 そう言ってセルジュはフリーラに渡された腕輪を指差す。


「腕輪?」


 ラーシャが不思議そうな顔をした。


「これが、魔物が絶え間なく襲ってくる原因」


 ラーシャとベインは自分の腕輪を見つめて、三秒後ーーー。


「「ええええええ!?」」


 目をカッと見開いて驚きの声を上げる二人を見てロベリエがケラケラ笑い出す。

 なんで教えてくれなかったんだ!?、と二人から非難の声が上がりセルジュは予想通りの反応でため息をついた。


「確信が持てなかったんだ。でも、ロベリエの言葉で確信に変わった。腕輪のせいだって」

「そうそう。セルジュ大正解!二人とも本当に気付いてなかったのね!」


 腕輪はただの迷子防止とかそれくらいにしか思ってなかったラーシャはシュンっとする。

 確かにそれがあったら、竜との契約する試験で笛じゃなくて腕輪を配ってるはずだ。少し考えればわかるはずなのに…。


「まぁ、そんな落ち込まないで?魔物を呼ぶ腕輪なんてメジャーじゃないから知ってる人の方が少な…っ!」


 突然、ロベリエの腕が持ち上がったかと思うと一気に身体が宙に浮き上がり、勢いよく上へと引き上げられて行く。


「ロベリエ!?」


 ラーシャが驚いて叫び声を上げる。

 ロベリエの腕をよく見れば蔦のようなものが絡まっていてそれが身体を宙に浮かせる原因のようだった。


「へぇ…食人花ね。気づかなかった。こんなものまで引き寄せちゃう腕輪って結構希少価値高いんじゃない?」


 ロベリエは冷静に分析しながら腕に伸びる蔦を目線で追っていくと木々の隙間から本体である赤紫色の花が口を開けて、獲物がこちらに来るのを今か今かと待ち構えていた。


【ロベリエに触ってんじゃねぇよ!!!】

【待て!セツ、ダメだ!】


 ニクスの静止を聞かず、ロベリエが捕まった事に頭に血を昇らせたセツが火を吹き、蔦を瞬く間に焼くのと同時に蔦が導火線となって本体諸共焼き尽くす。

 案の定、身体を支えていた蔦も焼き切れロベリエは重力に従って地面めがけて落ちていく。

 走る事をやめて立ち止まっていたせいで、多くの魔物が集まりそれの対処しているニクスではロベリエを受け止める事は出来ない。

 頭に血が昇ってしまったセツも受け止めるなんて考えが及ばす、ただ落ちてくるロベリエを茫然と見つめてるだけ。

 そんな中、一番最初に動いたのはセルジュだった。セルジュは走って後ろに下がりベインから距離を取る。


「ベイン!!」


 セルジュが叫んで今度はベインの方へと走る。


「マジかよ!?あぁ!クソ!」


 すぐにセルジュが何をする気なのか理解したベインは両手を組み腕を前に差し出す。

 セルジュが手を踏んだ瞬間、渾身の力を込めてロベリエの方へと持ち上げて飛ばした。

 セルジュはロベリエを空中で抱き抱えると、体勢を整えて地面に無事に着地をする。


「大丈夫か?」

「え、ええ…私は大丈夫。ありがとう、助けてくれて」


 ロベリエがそう言って地面に降ろしてもらうと、セツが物凄いスピードでロベリエに突進した。

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