少年漫画ヲタは異世界がわからない。
「イセカイって何ですか?」から始まる異世界を知らない少年漫画ヲタク少年と異世界大好きラノベヲタク少女が異世界を冒険するお話。
とりあえず序章を読んで少しでも面白いと思っていただけたら「感想」、「ブクマ」をお願いします作者の励みになります。
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俺の名前は輝崎太陽。
暇さえあれば少年漫画を読んでいる高校1年生。毎週月曜日は学校の前にコンビニ行ってしまうくらいの重症だ。そして今日も来ている。
「おおー!この局面で海軍来ちゃうのかよ。気になるのに来週は休載か…」
読み終わった週刊少年雑誌を購入しコンビニを後にした。読み終わったのに買うのかって?当たり前だろ家という超快感空間で読んでこそ新たな発見があるんだ。コンビニを出て少し歩くと俺は同じ高校の制服を着たクラスメイトの女子が1人で登校しているのを見つけた。名前はたしか暗城彩月。
「あんなに可愛いのに友達いないのかな…」
腰あたりまで伸ばしたサラサラの黒髪。スタイルもいい。高校1年男児なら8割いや9割の人が可愛いと思うルックスだと思う。そんなことを考えて俺は学校へ向かう。
「おう太陽!今日も読んでから来たのか!」学校に着き教室に入ると友達の浅野が話しかけてきた。
「ああ。読んだぞ。」
「ネタバレすんじゃねーぞ。俺は下校中に買って家で読むんだ。」
「いやーまさかアイツらが出ると思わなかったなー。」
「や、やめろ」
という毎週定番のやり取りをした後、俺は席に座り授業の用意を始めた。そして俺より少し前に教室に入った暗城さんのことが気になってちょっと見た。
「また1人だ。」
暗城さんは本を読んでいた。そして彼女の周りにはまた誰もいなかった。
今日の授業が終わり、下校の時間となった。
「よう!帰ろうぜ!太陽!」浅野が誘ってきた。
「ふん、悪いな。用事があるんだ。」と俺は断った。
「お、俺は怒ったぞ、太陽!どうせ漫画だろ。友人より漫画を選ぶとは薄情な奴だな~。いやでもそこで逆にお前が俺を優先したら怖いな…。」
「今日は4日だろ。コミックスの発売日だ。そして俺は店舗特典のため遠回りをするを男だ!」そう言って浅野と別れた。1人で店舗特典の付くアニメショップに向かって歩き出す。
「結局、ずっと1人だったな。」
アニメショップへ向かう途中、俺は暗城さんのことを考えていた。今日1日ずっと観察をしていたが誰とも話してなかった。
「何読んでたんだろ。漫画だったりしないかな!そしたら話しかけやすいのに!」
そんなことを考えながら歩いているとアニメショップに着いた。この店に来るのは先月漫画を40冊ほど大人買いした時以来だ。まず新刊コーナーに行って目当ての新刊を手に取った。せっかく遠回りまでして来たので他のコーナーも見てから帰ろうと思い動き出すと見覚えのある顔が目の前を通り過ぎた。一瞬だったから俺は自信が持てなかった。俺は確かめるため見覚えある顔の人物が入っていった二つ先の通路に行った。そして確認した。
「あ、暗城さん…。」やっぱり彼女だった。
俺の声が聞こえたのか振り向いた。そして俺を見た後、唖然として手に抱えていた5,6冊の本を落とした。
「き、君はおおおおお同じクラスの…」めちゃくちゃ慌てていて可愛い。そして名前を覚えられていなくて泣きそう。でも会話できて嬉しい。
「えっと、輝崎です。」
「そ、そうそう輝崎君。ちょっと度忘れしちゃって。あははは。」
絶対嘘だ、ごまかそうとしてる、でも可愛いから許しちゃう。
「あはははは。度忘れか~よくあるよね。」と適当に答えた。
そこで会話が止まってしまった。このままでは「また明日ね~」となってしまう。この絶好の機会逃すわけにはいかない。
「そ、そんな事よりまさか暗城さんがこんなところにいるとは思わなかったよ。ど、どういうの好きなの?」
「こういうのです!」落とした本を拾いその本の内1冊を俺の方に突き出し即答してきた。めちゃめちゃ笑顔だ、こんな暗城さんの笑顔学校では見たことない。突き出された本は透明の袋でラッピングされていて中身を見ることができない。俺が普段買っているコミックスより一回り小さい。表紙にはかわいい女の子が描かれている。表紙にはタイトルが書いてある。『あのワンダフルな魔界に宿泊を!』
「へ~知らないタイトルだ。少女漫画好きなn…」
「違います!これは少女漫画ではありません!ライトノベルです!」
好きなの?と言おうとしたが遮られた。テンション上がってる暗城さん正直めちゃめちゃ可愛い。よくよく考えてみるとそのタイトルで少女漫画はないな。
「ライトノベルとは〇×@%$△〇#*×…」
かれこれ10分くらい語られているが正直目の前のテンション上がった暗城さんが可愛すぎて全然頭に入ってこない。
「それで輝崎君はどうしてここへ?」
あの後5分くらいライトノベルについて語られた後いきなり質問された。
「あ、ああ俺は集めてる漫画の新刊が出てここだと店舗特典あるから…」
「なるほど!あまり漫画は読みませんがその気持ちは大いに共感できます。」
俺はうれしくて泣きそうだった。
「来たーーーっ!!」
放送で流れてるアニソンよりもでかいボリュームの叫び声が店のレジの方から聞こえた。
「な、なんだ!?」
レジの方を振り向くと青いキャップ、青いエプロンを身に着けた20代前半くらいの女性店員が俺たちを指さしている。
「君たち!異世界に興味はないか?」