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向井颯希 誕生日 2020

(颯希と深月)


「えっと新刊コーナー、新刊コーナー……あ、あった!」


学校からの帰り道、楽しみにしていた小説の新刊が出たのでいつもの本屋さんへ向かい、無事にお目当ての本をゲットする。

そうしてホクホク気分でレジに向かう途中、見知った後ろ姿を見つけて思わず声が出ていた。


「みっちゃん先輩?」


そんな俺の言葉に反応して振り向いた人物は名前を呼んだその人で


「あれ、颯希、久しぶりだね」


と、軽く片手をあげて声をかけてくれた。


「お久しぶりです~!先輩も何か買いに来たんですか?」

「うん、参考書を探しにね、颯希は裕のお兄さんの小説を買いに来たのかな」

「流石みっちゃん先輩!よく分かりましたね」

「いやぁ、普通に手元にある本のタイトルが目に入っただけだよ」


そう悪戯気に笑ったみっちゃん先輩の表情は高校時代から変わっていなくて、何だか嬉しくなる。


「それにしても奇遇ですね、みっちゃん先輩のお家からここの書店って少し遠くないですか?」

「あぁ、そうだね、ただ大学がこの近くにあるんだ、だからその帰りに寄り道したんだよ」

「確か、みっちゃん先輩の通ってる大学って、海風大学(みかぜだいがく)でしたっけ?」

「そうそう」

「大学どうですか?」

「んー、まだ入学してそんなに経ってないからねーでもうん、毎日色んな発見があって楽しいかな、知ってる人もいるし」

「知ってる人?確か雅也先輩とは別の大学でしたよね」

「うん、雅也じゃなくてほら、去年の星雲祭で紹介したOBの藤堂碧葉先輩」


みっちゃん先輩の言った言葉で去年の星雲祭に助っ人としてやって来てくれたOBの先輩達を思い出す。


碧葉先輩って確か物腰柔らかそうなおっとりとした感じの人だったよね


「碧葉先輩と同じ大学なんですねー」

「大学だけじゃなくて学部もね、一緒なんだ」

「そうなんですか!」

「うん、だから色々助けてもらったりしてる」

「何だかみっちゃん先輩が後輩してるの想像つかないです」

「そう?」


きょとん、としたみっちゃん先輩に対し力強く頷けば小さく笑われた。


「あ、そうだ、よかったら秋にオープンキャンパスとか学祭もあるからさ、奏汰や裕も誘っておいでよ、学祭には多分雅也も来るだろうから」

「わぁ、是非!雅也先輩だけじゃなく、碧葉先輩にもまたお会いしたいですし」

「ふふ、まぁちょっと大学に来たら来たで驚く事もあるだろうけど」


みっちゃん先輩のその言葉の意味がわからなくて今度は俺の方がきょとんとした顔をしてしまう。

そんな俺に悪戯っ子のような笑みを浮かべたみっちゃん先輩は人差し指を唇にあて「その時になればわかるよ」なんて言うので俺はただ頷くことしか出来なかった。

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