俺ん家の冷蔵庫がチートすぎる包容力を持っている件について
第1話(最終話)目覚めし、サイコパス
目を開いた。
寝たきりの体はリビングの床の上だ。
カーテンの隙間から滲むように光が入り天井が青っぽい色をしている。
体を起こした。とても頭が重いのでうな垂れたようになる。
お酒を飲んだせいか、思うように力が入らない。少し水を飲もう。
台所まで移動した。足を床に引き摺りながらだ。
ほぼ空の無駄に大きい冷蔵庫を開けて、最後のミネラルウォーターの入ったペットボトルをとる。蓋を開けて一口飲む。少し酔いは醒めた。シャワーを浴びて体を流そう。
脱衣所、浴室までも一苦労だと感じた。丁寧に洗う。バスタオルでしっかりと拭いた。
さて、昨日は色々と散らかしてしまったので片付けなければ。お酒の空き缶やツマミのお皿などをシンクに運び、置きっ放しの包丁なども一緒に洗う。床の汚れも雑巾で綺麗に拭く。テーブルやイスはいつも通りに並べる。まあ、こんなところか。
体を冷蔵庫にしまう。
「へぇ、綺麗な部屋」
「そうかい。ありがとう」
「でも、いいの?彼女さんいるんじゃなかったっけ」
「いるよ。でもいいんだ」
「上手くいってないの?」
「彼女は何も言わないよ。冷え切ってるさ」
「あはは。なにそれ。まあ、でも、それなら私も気にすることないね」
「そうだね、さあ座って」
「ありがとう。それにしてもでかい冷蔵庫」
「うん。彼女と相談して買ったんだよね。あんまり使わなかったけど」
「あはは。使ってないんだ」
「はははは。、、、。でも今は買って良かったと思ってる」
「そうなの?」
「うん、好きなものそのまま入るしさ。まだ余裕があるんだよね」
「そりゃあ、それだけ大きければねぇ」
「まあ、君もゆっくりしていきなよ」
「うん、そうさせてもらうわ。彼女には悪いけどね、あはは」
「全然気にしないでいいよ。彼女はいつでも会えるし、君とはこれからでしょ」
「きゃああ、そんな恥ずかしいこと言って、もうお酒飲んでんの?」
「お酒はまだ飲んでない。本当のことだよ」
どんだけ冷蔵庫でかいんだよ。