俺じだ 11ー10 呪いと力
振り下ろした剣がファイヤーバードの防具を削る。
((もっと深く欲しかった。))
欲はいかん。特に戦闘中なんて。足元救われる。
「ふはは。魔装を解いた。もういい。ズルは無しだ。本気で行くぞ。」
その言い方だとまだ本気出て無いんですけど。
「ユウキ。お前は二刀流で来い。俺が一本だからって手抜くなよ。」
「逆に抜くアホいないよ。」
ファイヤーバードは地面を蹴ってこちらに向かって来た。
それならこっちだって。
「「炎の一発・爆発」」
二刀流、炎攻撃がファイヤーバードのビクトリースラッシュとぶつかる。
((意外に吹き飛ばされるな。どうする。))
うーん。このままかな。あっちが動き出したらでいい感じだ。
「長期戦はきついかな。どうする。次を最期の一撃にするか?」
確かに。先に魔力が尽きそうだしな、
「そうだな。最後にするか。」
「じゃあ準備しろ。最期のために。」
ファイヤーバードはそう言うと長々とした詠唱を始めた。
((こっちもこっちでやるぞ。))
「俺が付与してやる。…一つの炎の根源よ。今ここに再び集まり、黒炎よりも、蒼炎をも呑み込む紅き炎が生まれる。」
凄い。これは普通の炎とは違う。一つの炎の根源って言ってるくらいだから太陽…とかか。
「纏え。付与!」
「「ドットファイヤー」」
付与の魔法が剣に来る直前。俺は二刀流40連撃を発動させた。
((ただじゃねぇ。これは山火事くらいならぞ。))
そんな怖いの?
「「デスバーン。」」
ファイヤーバードも発動完了したみたいだな。




