7−1 ギルドカード
俺は朝の日課を終わらせ武器屋に来ていた。
未だにこの世界に来てそれなりの年月が経とうとしているというのに通う場所が武器屋かギルドか自宅かの3択だ。
我ながらそろそろやばいのではと思っている。
「それにしても話聞く感じだいぶレベルも上がってきたんじゃ無いのか?」
そう言いながらおっちゃんは手を出してきた。
「何だよ、この手は。借金なんてしてないぞ。」
「ちげーよ。ギルドカードだよ。お前のステータス見せろよ。」
ん?ギルドカード?何じゃそりゃ。
「おま、は?まさかまだギルドカード作ってないのか?」
「作り方知らねーもん。そんな必要なのか?別にクエスト受けれるし今の所問題なんて起こってないが?」
そういうとおっちゃんに問題は起こる前に解決するに越したことないの!と店を追い出されてしまった。
追い出されてしまった俺はしょうがないのでギルドに向かうことにした。
「にしても遠いんだよなぁ。地味に30分はかかるあたり面倒。」
((ポジティブに捉えて何か新しい出会いが…おい、あれ。))
龍に言われ前を見ると少し先を歩いている人が如何にも倒れそうなくらいフラフラだった。
俺は足だけ龍化させ、1蹴りで一気に近づいて体を支えた。
「おい、大丈夫か?」
顔を覗き込むとやけに痩せゴケてしまっていた中性な顔立ちだった。
「あ、あぁ。迷惑かけてしまって悪かったね。ここ3日くらい食事を摂る時間も惜しいくらい忙しかったもんでね。」
俺はあまりにも心配だったのでその人を連れてとあるカフェに入った。
このカフェはセルンド祭りで優勝した時に声をかけられた店である。
「いやー、それにしてもここのお店のオムライス美味しいですね。」
そうですねー。などと適当に返事をするしか方法がなかった。
なぜならこの店。初めて入ったんです!ごめんなさい!悪気があったわけじゃ無かったんです!
毎回この道を通る度にうちの店へ!と声をかけられ続けていたのでめんどくさくて入ってこなかった。
「んで?一体何の仕事なんですか?そんな飯を食わずじまいなんて言っちゃ悪いですけどそんな仕事体に悪いですよ?」
「ははは。いやー仕事も勿論忙しいんだけどこっちのせいなんだよね。」
そう言い、茶髪を揺らしながらカバンを漁り、そのまま一枚の紙を出した。
「風景画?」
その絵はこの街の西門前にある河原の絵だった。
「他にもこんなのも。」
次に出された紙にはセルンド祭りの盛り上がりを絵にしていた。
まるで写真。いや、写真の中でもなかなかこんな綺麗には撮れないだろう。
「絵師になればいいのに…。」
「そうしたいんですけどやっぱり生活安定しないのは嫌なので。」
その割にこんなフラフラになってたのは…。
「あ、そんな目で見ないください。気に入っていただければ今度一枚プレゼントさせてください。こんなに素敵なお店を教えてくださりましたし。」
「ほんとですか!実は最近思ったんですよ。家が質素だなぁ。って。ぜひお願いします。」
思わず商談成立!みたいに中腰になって握手してしまった。
「任せてください。あ、そういえば名乗ってなかったですよね。だしまきと名乗らせてもらってます。実は知り合いの子に絵で活動するならペンネーム?らしき物があった方がいいと言われましてね。でアドバイスを頂いたら“だしまき“と言われたので。」
だしまき先生ねぇ。卵じゃん。だし巻き卵じゃんか。絶対そのアドバイスした人日本人だろ。
俺は日本人がまだ居ると考えるととてもワクワクしていたのでそのままこの店の会計は全部出してしまったが12,000テルとなかなかのお値段だった。
俺は細々としてしまった財布を眺めながらギルドについた。
今日はエレボスがクエストに行っていて、ヒカリ達は自治会に参加している。
俺はめんどくさかったので逃げてきた。
ギー
いつになったらこの扉に油を刺すのだろうかと思いつつ中央の受付に向かった。
「あれ?ユウキさんどうしたんですか?」
俺は受付嬢の中で1番人気であるユイちゃんではなくランさんのところに並んだ。
空いてるし権力あってちょっとした無理でも聞いてくれるし何よりエレボスの紹介なので間違っていることは何もない。
「いや、ランさん。それがね?ギルドカード発行してもらいたくてさ。」
「え?無くしました?再発行かなりお金取られますけど。」
俺は勢いよく首を振り必死に否定した。
「いや、それがさ、そもそも作ってないんだよね。忘れてて…。で、さっき武器屋のおっちゃんに言われて思い出したの。ねぇ、ランさんその目絶対信用してないでしょ。」
「いーえ。まぁ確かにクエスト受ける時大体皆さん提出するのにしないなぁとは思ってました。じゃあちゃちゃっと済ませちゃいましょう。」
そう言われ俺はランさんに連れられギルドの奥の広場に連れていかれた。
「ユウキさんなら多分秒で作れるんですけど流石に決まりで適任ランクを調べないといけないので。」
それはしょうがないことだ。仕事だし!
俺は剣を抜き準備を済ませる。
「魔法も剣術も何でもありの試験です。試験場もド派手に壊れても修復班がいるので気にせずにどうぞ。」
よし、ド派手に済ませよう。
広場の向こうから檻の音が聞こえ、よく目を凝らすと50匹以上のコボルトが出てきた。
グギギ
ダーッとダッシュしてきたうちの一匹のコボルトが棍棒を振りながら突撃してきた。それに釣られるかの如く他のコボルトも突撃してきた。
俺はすかさず1匹目のコボルトの頭を蹴り飛ばし、仙化した。
((数も多いしそれが妥当だろう。妖術は魔力の消費も少ないから試験という以上俺で終わりと思わない方がいい。))
俺は両手をお椀のようにし、そこに息を軽く吹きかける。
吹きかけた息には環境エネルギーが混じっているためすかさず魔力で周りを圧縮し、形を保つ。
これで「「神風の渦。」」のタネが出来上がった。
「「神風の渦。」」
手から追い出してやるように放たれた「「神風の渦。」」は地面とコボルトを吸収し、どんどんと大きくなってく。この前ヒカリが「「飛斬。」」を「「飛連斬。」」に進化されたことで俺自身のやる気が爆発し、色々資料を漁った結果なんとか完成する事ができた。
「ちょ、ユウキさん。何ですかーこれ!こんなの聞いてないですぅ。」
あ、完全にランさんいたの忘れてた。
俺は「「神風の渦。」」に供給していた魔力を止め、すぐ収まった。
ギルド裏の広場は地面が抉れ悲惨そのものだった。
勿論、コボルトは全員空高くに舞い、地面に強く叩きつけられた。
「ちょっと、ちょっと!聞いてないって。何これ。てか剣術士にしては練度高すぎ!もうほんとにこれ以降しなくても良いんだけど一応よろしく。」
ランさんはそう言うと広場の奥から1匹のトップオークがやってきた。
「流石に魔法系はもう十分だから今度は剣術だけで倒して頂戴。」
俺は仙化を解き剣をしっかり握る。
なんせこの前戦った時はエレボス合わせ6人。さらに魔法もガンガン使った。
勿論1ヶ月みっちり修行しているので大丈夫だと思いたい。
仙化を解かなくてもよかった気もするがもしも仙化が封じられる何かがあった時のために、そしてなしでもどれだけ抗えるか気になった。
そうそうトップオークにも出くわさないのでこういう機会は大事にした方がいいと思った。
俺はタタンと地面を蹴りながらトップオークに急接近した。
トップオークは「「スマッシュ。」」俺は一歩後ろに下がりながら「「スレイヤー。」」を放ち相殺させた。
((あの加速からでもトップオークは見えるんだな。一気に距離を詰めるのは危険かもしれないぞ。))
確かに龍の意見はごもっともだ。特に普段は魔法で牽制をしているため数テンポ早く攻撃できているが今回のように魔法が使えないとなると危険だな。
お互いが放った剣術同士がぶつかりガギンと鈍い音をしながら俺は吹っ飛ばされた。
「いてぇー。あいつ前のやつよりパワーあるな。」
俺は立ち上がって剣を静かに構える。
「「飛斬。」」
俺は剣を振り切った後距離を詰めつつ背後に回る。
「「空断。」」
素早く背後に回った俺は右足に「「空断。」」を当てた。が、イマイチ入りが浅かったからクリティカルになったが足を吹っ飛ばすほどの威力にはならなかった。
グガァァ
痛みながらも勢いよく剣を振り下ろした。
俺は横に避けて剣を踏み台にしながらトップオークの首元に向けて「「肩斬。」」を放つ。
カン
骨に当たったのか情けない音が出て、体制を崩した。
ガァァァァ
俺は地面に横たわったままトップオークの「「スマッシュ。」」を剣で受けた。
ステータス
浮島 優樹 Lv.1
能力 ??
技能 無し
剣技 肩並行斬→肩斬
ビクトリースラッシュ
スレイヤー
空断
スマッシュ
ダブルエッジスパイク
飛斬
魔法【初級】
ファイヤー
ウォーター
アース
【中級】
ゲイル
ライジング
コリエンテ
クエイク
エアリアル・バレット
【準中級】
フリーズ
龍化 ドラゴンブラスト
ドラゴンブレイカー
仙化 太陽の光
火炎
太陽の光雨
神風の渦
?????




