17-1 最強の男
「勇者…?」
ヒカリ達に言われ俺はボソッとこぼしながら見る。
勇者と呼ばれた者は恥ずかしそうに顔をポリポリ掻きながら目線を逸らした。
「え?この世界に勇者っていたの?幹部とか倒しに来ないからてっきり居ないもんだと思ってたんだけど。」
「まぁ、そこは他のやるべきことがあってね、こんな状況でもテイムした生き物の視界を共有して世界の監視してるんだけどね。」
勇者はボソッと速すぎるのに数が多くてね…と言った。
速くて…数が多い生き物…。
「あのはた迷惑な秋刀魚か?」
「はた迷惑は失礼だけどその秋刀魚で間違いないよ。」
コイツか!俺の腹を貫通させた張本人は!
「それにしても君、臭いね。」
「失礼だな、毎日風呂に入ってるし脇なんてガリガリするくらいちゃんと洗ってるんだぞ。」
アルデバがぼそっとそれ、逆効果と言ったのは聞いてないことにしておいた。
「魔軍の奴らと同じ臭いがする。」
俺は今激戦を繰り広げていたからでは?と単純に思っていた。
「ちょっと手合わせしてよ。なんだか君、怪しいし、それに炎の騎士を倒したり雪原の姫と渡り合えてる辺り興味も湧いてる。」
「分かった。俺も勇者とどのくらい実力差があるのか気になるしな。」
俺と勇者はカエラからかなり離れた場所の開けた場所で互いに剣を取った。
まだ何もしていないがここら一体がビリビリするような感覚が襲ってくる。
俺は勢いよく走り出した。左手に魔力を込めつつ、右手でいつでも剣術を発動出来るようにする。
「「ライトニング。」」
波のようにうねりながら勇者に放たれた「「ライトニング。」」を勇者は華麗に躱し、すました顔でこちらを見てくる。
俺は着地に合わせて放とうとしたが、少し足を滑らせた。がすぐに展開しなおし、「「飛斬。」」を放った。
勇者は剣を横にブンと振り、「「飛斬。」」をかき消してしまった。
「どうした?もっと本気で来ていいぞ。」
いや、マジかぁ。「「飛斬。」」もそこそこ火力あるのに弾くのかよ。
俺は剣を構え直し「「ダブルリカンド。」」で突撃した。
キンと言う音と共に軽くあしらわれた。
「じゃあこっちも行くぞ。」
タン
勇者はパッと姿を消した。
俺は辺りを見回したが姿が見えない。
「どこ見てる!」
後ろから声が聞こえ、後ろを振り向こうとしたが何かに押されたような感覚に合い、俺は吹き飛ばされたが上手く剣を地面に刺し、持ち堪えた。
((それにしてもあの速さ、反則だな。))
俺は通用しないとは思っているが1個賭けに出る事にした。




