16-8 カエラへ
「ユウキさん!訓練の途中にすいません。お手を貸していただけませんか?」
俺はアルデバとヒカリとアイコンタクトを取り、ギルド職員の話を聞きながら地上に上がった。
((お前ってホント狙われやすいよな。))
龍がなんでこう言ったかと言うとカエラに雪原の姫がやって来たとのこと。
この街に来る前に俺は図書館で魔軍の幹部について少しだけ調べた。
雪原の姫 魔軍の指先三人衆の1人。彼女は異常なまでの魔力量を有する。
その彼女の得意魔法属性は氷魔法。氷魔法の元になる水と風に関しては全ての生物において右に出る者はいない。
「今雪原の姫の攻撃でカエラの人々の大半が…。」
ギルド職員の表情を見る限りだいぶ酷い状況になっている。
そう覚悟していたが状況はより酷い状況だった。
「な、なんだよこれ。」
アルデバの声は当たり一体に響いた後、周りと同じく凍ったかのように消えた。
((これはひでぇ。街どころか人ごと凍らせやがったのか。))
「ユウキさん。無事だったんですね。」
その声の先にはエリカとインドラとサエカルが来た。
そっちも無事でよかった。それにしても戦闘は強めのカポエラ族の大半がやられた。
雪原の姫。油断出来ない相手だが、それより許せない相手だ。
コツコツコツ。
「あら、魔法範囲外に居たのかしら、さらにおまけ付き。いいじゃない。」
「ふざけるな!」
サエカルは叫びながら雪原の姫に向かった。
カポエラは超接近戦。それに対して敵は中、遠距離型の魔法使い。
圧倒的に分が悪い。
サエカルは全力の拳を振り続けるが雪原の姫はそれをひらりひらりと躱していく。
「怒りに任せて戦うなんて。」
雪原の姫はサエカルの攻撃を躱しながら足元から小さめの氷山を作り出した。
その氷山の先端がサエカルの左腕に掠った瞬間。
サエカルは握っていた拳を開いた。
すると左手首に装着していたリングが拡大し、回転し始めた。
カラカラカラカラカラカラ
そしてリングが回転を止めた途端縮小し、元の大きさに戻った。
すると手から「「ファイヤー。」」が放たれた。
「あら、カポエラ族は魔法が使えないはずなのに不思議ね。ただそんな弱っちい火じゃどうにもなんないけどね。」
「じゃあこっちならどうだ?」
俺は人差し指と中指を上に向ける。
「「火炎。」」
地面から火柱が上がった。
が、雪原の姫はそれもまたひらりと躱した。
「こっちも忘れんな!」
サエカルがまた殴り始めた。
適当に振ってるように見えて相手が避けにくい体制に誘導している。
俺はサエカルのおかげで既に仙化状態になっている。
「よし、俺達はサエカルのサポートメインで行くぞ。」
俺はすぐに走り出し「「肩斬。」」を打ち込んだ。
雪原の姫は手にふっ。っと息を吹き掛け、氷の剣を作り出し、受け切った。
(やば、)
雪原の姫の受け方で俺は身動きが取れなくなってしまった。
「「アクアバレット。」」




