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「気遣いと優したっ。」

作者: 猫SR





雨の工事の日、

その新築工場の

現場近くのコンビニには

沢山の職人が

昼の弁当を買いに来ていたんだ。




現場はまだ、

土間コンクリートを

打っていない不整地で

今日みたいな雨の日は

安全靴の裏が泥まみれになる。


この地域特有の赤土が

靴裏にへばりついて

大袈裟に言ったら

身長が30cmも高くなる位だ。笑


運転するなら

靴裏の泥をよく落とさないと

クラッチとか踏む時に

滑ったら、おっかない。


勿論、脚立や足場に登る時も

要注意だし。




さて、トラックから降りて

コンビニに入ると

雨対策用と思われるマットは

既に泥まみれだった。



一応、靴裏をマットで拭いて、


「おトイレ借りまーす。」


って歩いてくと

パート?のおばさんが

雑巾を片足で踏み付けて

足で床を拭いていた。


(え???)


って思って

自分が歩いて来た所を

振り返ると、確かに

まぁ俺の足跡が多少は…、

それ以外にも

あちこち足跡が少々、、、


でもさ、

店員さんが足で床を拭くってのに

凄く違和感を感じたんだ。


名前までは知らないが

顔見知りの設備屋さんも居た。

彼もそのおばさんを

??って凝視してた。


(なんだよ、このおばさん?)


って、思った瞬間、




「高橋さーん、

膝の具合は如何ですかー?

無理しないで下さいねー、

レジ、お願いしまーす。」


って声がレジの方から、

見ると、

やっぱり、おばさんだたけど、

レジを打ってる女の人が

声を掛けたみたい。



…あ、

そうか

このおばさんは

膝が悪くてしゃがめないのか、

だから足で雑巾掛けしてんのか。


(モップを使えばいいじゃん、

とか、そん時は思わんかった。)



何と無く合点が行って

でもレジのおばさんの

気遣いってゆーか、

さすがだなー、


同僚?を気遣いながら

周りの人に

然り気無く説明、的な?





さて

コンビニPで弁当を食ったら

猛烈な睡魔に襲われて

スイマセンーー、

とかとか、

下らないギャグを独り言して

ちょっとだけ寝るつもりが

起きたら13時半を過ぎていて

慌てて現場に戻る。 汗)))))





既に後輩が午後の仕事を

始めてたんだが

その姿を何か言いたげに

現場監督が見てた。





「どーかした?」


「あ、猫さん、

何だよ、あんたの若い衆、←注

あんなへっぴり腰で

振動ドリル片手持ちでさ、

アブねーってか、

やる気あんのかねー?」






…はっ!!

これだっ!!!


監督さんは

奴がまだ退院したばかりの

病み上がりだって事を知らない!


さっきのおばさんみたいに

然り気無く、奴を気遣いながら

何と無く監督さんに

彼の体の具合を伝えて…、、



親方として、先輩としてっ!!!





「おいっ!渡辺っ!!

痔の具合は大丈日か?

無理してしゃがんで

又、切れたら大変だぜ?

イボ痔だか切れ痔だか

知んねーけど

ゆっくりやれよっ!!

痔の手術して

退院したばっかなんだから!!」





…後輩が俺を振り返り

嬉しくて泣きそうな顔をした。


俺の優しさに

感動したのか、

恥ずかしそうに首を振る、




監督さんは

それこそ猛烈な笑顔になった。











雨で仕事は大変だたけど




…今日は いい日である。











【注】


「若い衆」とは、経験年数が

若いとゆー意味である、

渡辺の実年齢はおじさんである。












なんちゃらハラスメントとか


後からブーブー言われたが


意味が解らない。









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― 新着の感想 ―
[一言] そういう気遣いもあるのね 笑えたw
[一言] 気遣いと優したっは、さりげなく… おかえりなさ~い 久しぶりに大笑いしたっw
[良い点] ほほえましい光景が浮かんだ。しかし、おじさんといえる年の人物たちがやっているのだと思うと、ほほえましさよりも哀愁が強くなった。 [気になる点] タイトルは誤字なのか、それとも敢えてそうした…
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