妨害者たち ─8─
「もしもし? もしもーし!」
フリーズしていた脳が、ようやく働き始めた。
「あ……ごめん。ボーッとしてた」
「ええけど…… 俺、何か変な事ゆうた?」
心底不思議そうに聞いてくる峰岸に、悪意はないのだろう。という事は────
「峰岸くん、ちょっと聞いてもいい?」
「うん? ええよ」
「男の人って、彼女がおっても女友達と食事したり遊びに行ったりするもんなん?」
自分で言いながら、胸がチクチクと傷んだ。
「うーん…… それは人にもよるんちゃう? 俺は全然するタイプ♪」
だろうな。
「それってさ、彼女に言うもん? それとも黙って?」
チクチクチクチク……
「今は彼女おらんから分からんけど─── たぶん言わんな。うん、言わんわ」
だろうな。
「何でなん? 麗美ちゃんは彼氏に女友達おったら嫌なん?」
「そら…… 嫌かな」
小さい考え方なんだろうか? そんな彼女は重い?
色んな不安要素が頭の中を回り回って、もうどうしようもなく落ち着かなくなってきた。
「だからー、麗美ちゃんも男友達つくったらいいねん。ほんなら気にならんようになるって」
そんな問題なのだろうか。いくら考えても、今は答えが出せそうにない。まだまだアタシは異性問題には疎すぎる。
「ちょっと考えさせて。色々……うん。考えたい」
そう言って今日の所は切らせてもらった。だけど、通話を終えたアタシはまだ、峰岸の言葉が突き刺ささっていた。
「凛に相談してみるか……」
少しだけ考えた後、アタシは通話ボタンを押した。海原雅人という文字を。




