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美意識過剰  作者: 桜木 葉
39/67

ライバル出現!? ─9─

 


「おっ、ライバル出現か!?」


 茶化す四ノ宮の顔は、アタシと同じように赤くなっていたが、こちらは照れているのではなく、程よくアルコールが回っていた模様。


「もぅ、四ノ宮さんやめて下さい!」


 アタシが止めるも、さらに四ノ宮はエスカレートし、


「まぁ美男美女がくっついても普通過ぎるしな。海原くんと高木さんってのも似合ってんちゃう? なぁ、伊藤さん」


 最後はあえて(・・・)奈々に言った。瞬時に奈々の顔色が変わったのも、アタシは見逃さなかった。だがすぐににこやかな笑みを貼り付け、


「そうですね。でも……やっぱり月島さんとの方が絵になるかもー! ね?」


 とあえて(・・・)海原に同意を求めるという『あえて返し』をする辺り、やっぱり侮れない。



「やめましょうよ。そういう不毛な言い合いは」


 興味なさげに傍観者と化していたジミーが突然にこやかに言うと、飛び交っていた見えない火花が一瞬にして沈下した。


 確かにそうだ。奈々相手に何をアタシは必死になっていたんだろう。席が離れてようと、奈々が海原を狙っていようと、それをライバル視するのはまさしく不毛だろう。


 きっとジミーはそんなつもりで言ったのではないんだろうが、ハッと目が覚める一言だった。



「ですよねー。あ、アタシ、デザート頼んでもいいですか? ゴマ団子大好きなんです。でも杏仁豆腐も捨て難いし……んー、迷うなぁ」


 メニュー表を見ながら本気で悩んでいると、目の前にゴマ団子が五つ乗ったお皿が置かれた。


 ビックリして運んできたウエイターを見ると、中国人らしき顔立ちの……


「これは オイシデス」


 中国人だ。


 分かり易過ぎる程の片言でそう言うと、さらに杏仁豆腐、マンゴープリン、そしてコーヒーゼリーのような黒い物体が、全てアタシの前に置かれた。


「アタシ、マダたのんで マセンケド」


 つられてビミョーな片言で伝えるアタシに、


「この黒いのは 亀ゼリーデス 生薬センジテ ツクテル 朝お肌ブリブリなりマス」


 プリプリの間違いだろうか。ブリブリになって喜ぶ人もあまりいないだろうし。


「デザートにマヨテたから コレは サービスデス アナタとてもウツクシイ」


 そう言って中国人の彼は、厨房へと消えて行った。





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