ライバル出現!? ─7─
「かんぱーい!」
「お疲れ様でーす」
「お疲れー」
様々な声と共に、グラスやジョッキが中央に寄せられ、爽快な音を立てる。
「あー、美味しい! 仕事終わりの1杯は最高やな」
そう言いながら、真っ先にジョッキを空にしたのは、海原。
「なんで私まで……」
と不服そうな顔で、それでも続いてグラスを空にしたのは四ノ宮だ。
「会社の近くにこんなお店あったんですね」
と奈々。
「……すみません。僕まで……」
申し訳なさげにそう言ったのは、ジミーこと月島だ。
「いいって。俺も可愛い後輩達と飲みに行きたいなぁって前々から思っててん。───な、四ノ宮さん?」
「いや、私は別に」
ご機嫌の海原に、いつもと変わりのない四ノ宮。そしてアタシと奈々。プラス、なんでかジミー。こうなった経緯は、と言うと────
「えー、嫌やって。なんで私が行かなアカンの? 伊藤さんみたいなタイプ苦手やし」
心底嫌そうに顔を歪める四ノ宮に、アタシは怯まず食い下がる。
「お願いしますぅ。だからアタシ一人じゃ不安なんですぅ。奈々がどう出てくるつもりかわからんし…… 四ノ宮さんおってくれたら心強いし!」
「だからって三人で行く約束してんのに、誘われてもない私が急に参加したらおかしいやん」
「だって海原さんと四ノ宮さん、同僚なんでしょ? だったら──」
「い•や•や」
キッパリと断られさすがに怯んだが、ここで引き下がっては、この後の食事が悲惨なものになりそうな予感がヒシヒシとする。アタシはもう一度、四ノ宮の意思を変えようと口を開きかけた時────
『もう下で待ってるから。月島くんとエレベーターで一緒になったから誘ったけど、いいかな?』
海原からのLINEには、そう記されていた。
アタシが頑張らなくても、奈々と三人一緒に外に出た四ノ宮は、アッサリと海原に捕獲されていた。と言う訳で今、中華料理店の丸テーブルを5人一緒に囲み、なんとも奇妙なメンバーでの食事会が始まったのだ。




