ライバル出現!? ─6─
5時を15分程過ぎたころ、奈々がロッカールームへ入ってきた。
「お疲れ様です」
四ノ宮に向かって軽く頭をさげ、今度はアタシに向かい笑みを浮かべる。
「麗美ちゃんお疲れ。───海原さん、もう仕事終わって片付け始めてるよ」
そう言って奈々は、臆する事なくサッサと制服を脱ぎ、下着だけの姿になった。
アタシは、奈々の身体から目が離せないでいた。決してそっちの気があった訳ではない。ただあまりにも美し過ぎて、視線が固まってしまったのだ。
細身にもかかわらず、女性の象徴とも言える胸とお尻のふくよかさ。いや、腰のクビレの深さがより一層、胸と尻を強調しているのかもしれない。
身に着けている下着は、薄いピンク色に繊細なレースがあしらわれているシルク調の生地。艶やかに光る肌に良く合っていた。
ポカンと口を開けてその姿を凝視していたアタシの服の裾を、四ノ宮がツンツンと引っ張ってロッカールームの隅へと誘導してくる。
奈々に声が届かないギリギリの場所。さらに四ノ宮はアタシにさえ聞こえるか聞こえないかぐらいの囁き声で、
「あれがあの子の侮れん所の一つや。顔はともかく、女子力スキルがメチャクチャ高いねん」
と言って奈々の方へと目を向ける。
確かに四ノ宮の言いたい事は分かる。下着や肌のケアまで怠らないなんて、かなりの上級者だろう。でも………
見せる相手もいないのにそんな事に一生懸命になっても────ね。
「それにあの子、さっき海原くんの仕事、手伝ってたで? 『いいんです、私も早く海原さんとお食事行きたいですから』とか頬赤らめてな」
そこでアタシはハッとする。海原との食事。余計な虫も1匹ついてくるが、空気を求めてさ迷ったり、奈々に見とれている場合じゃない!
マッハで着替えを済まし、お化粧をなおすべく、設置されてある大き目のミラーの前に立った。
しかし───奈々が海原の仕事を手伝っていたなんて……誤算だった。それで着替えに来るのが遅かったのか。
なんとなく、四ノ宮が言っていた言葉の意味が分かった気がした。




