ライバル出現!? ─3─
昼休み。
ママが作ってくれたお弁当を机の上に広げたままボーっとしていたアタシの前に、コトンと置かれた湯飲み。
顔を巡らせると、そこには微かに笑みを浮かべた奈々の顔があった。
「あ……ありがとう」
なんだか当たり前のようになってしまった奈々のお茶汲み。少しだけ良心が傷んで、自然と口から言葉が出る。
「そんなお礼なんて……」
顔を伏せてはにかむ奈々。
「だって……ホンマはアタシもせなアカン事やし……」
そう。こっちの世界に来るまでは、アタシがやっていた事。綺麗になったからやらなくていいなんて、絶対間違ってる。いくら奈々が、これまで可愛い事を棚にあげてその仕事を放置していたとしても。
今、同じ事をしているアタシはやっぱり……
「いいよ。麗美ちゃんは綺麗やねんからそんな事気にせんで」
ハッとして顔を上げたアタシに、奈々は奇妙な笑みを浮かべた。
それは、アタシがブサイクだった頃に抱えていた劣等感でも諦めでもなく。
「美人の特権は、男にチヤホヤしてもらえる事。麗美ちゃんはその特権に甘えてたらいいねん」
「な……どうゆう事?」
刺を持った言い様に、アタシは少し鋭い瞳で奈々を見つめる。
「私は私の特権をフルに活用させてもらうって事。───知ってた? ブスにも特権ってあるねんで?」
は? ブスに特権なんて、あるわけないやん。
呆気に取られてるアタシを見下ろし、奈々は更に捨て台詞を吐いて去って行った。
「海原さんって誰にでも優しいよね? 今晩、楽しみにしてるわ」




