第四話 入学へ向け
自室のベッドで横になり難しい顔をしたレントの姿がそこにはあった。
「準備をするとは言ったけど結局やることないからなぁー」
ほとんど付き人の叶奈が準備をしてくれるのでレントはすることがないのだ。
「まだたっぷりと時間があるんだ今日は遊びにでもいこーかなー。」
するとドアの前で叶奈の声が聞こえてきた。
「レント様」
「叶奈?入っていいよー。」
「失礼します。朔夜様から学科試験の教材をレント様に渡すよう言われましたのでお渡しします。」
「‥‥‥‥‥‥‥」
「 では失礼します。」
「学科試験なんてあるのかよ。」
レント自身勉強は苦手であり頭を使うこと全般は苦手分野である。
現実逃避をはじめたレントであるが付き人の叶奈がこうなることを分かっていないわけがなくレントへと手を差し伸べる。
「失礼します。」
「レント様の勉強をお手伝いしたいと思いまして。よろしいでしょうか?」
「ほんと?」
「レント様の力になれるのでしたら喜んでお手伝いします。」
そんなレント思いの叶奈と共に三日後の学科試験へ向け勉強をはじめるレントであった。
その頃
朔夜が書斎にて誰かと電話をしているところであった。受話器の奥から若い女の声が聞こえる。
「私が学園長でなければこんな編入できなかったぞ。朔夜よ。」
「感謝している。助かった。」
「まぁぁ。お前さんの息子に学園に入る資格がないとみなしたら、こちらは容赦なく落とすがな。」
「あぁ。それで大丈夫だ。こちらは頼んでいる身なのだからな。」
そんな会話がされていることを知らずレントは自室にて頭を悩ませているのであった。