第66話 おやすみ、エドガー
バチバチ。
バチバチっっ‼
『? 何事かねぇ? 手前のお友達の仕業かねぇ??』
「っく! 視えないッッ‼」
『余計な真似をしたもんだねぇエエッッ‼』
弾!
弾ッ‼
弾ッッ‼‼
僕が視たのは、こんな状況だった。ママの放った弾がカエデへと放たれたたところだったんだ。メゴの放った呪文が結果としてカエデにとって不利な状況となったのは明らかだ。
『エドガー! 喰らいなさいッッ‼』
「!?」
どういう訳かも分からないけどメゴが僕に、そう叫んでいたんだ。僕の小さな心臓も大きく高鳴ってしまう。どうやってやったかも分からないのに。どう食べたかの記憶もないってのに。
『あンたが収拾をつけるのよ! この局面を――鞘に納めるの‼』
無理だ。無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理。
僕は声を大にして言いたかったんだけど。状況は甘くはないし。
やらなきゃいけないんだ。
◆
『エドガー口を大きく開けて』
◆
ああ。メア……メア。僕の中の君は、今でも色鮮やかできれいだ。
◆
『飲み込むイメージをして。中に放り込む……イメージを』
◆
やれそうだ。メアがアドバイスをくれたんだ。ここでやらなきゃ、メアのアドバイスが無駄になっちゃうだろうから。
ただ、僕は口を開けるだけでいい。
ただ、僕は飲み込むだけでいいんだ。
そして、目を閉じればいいんだ。




