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プロローグ‐僕達の物語‐
「世界は残酷だ」
少年が呟いた
風で髪が舞い上がり不規則に揺れる
「残酷だね
だから、私達が残酷という〝肩書〟を変えるんだ」
少女が答えた
優しい声で、優しい声の中に強い決意を込めて。
風がもっと強くなる
高い高いビルの最上階に二人はいた
空がオレンジ色に染まりかける
夕日に照らされて少年少女は叫んだ。
「「セロ式!ミタスタス!」」
そう二人が叫んだ瞬間、二人は消えた。
消えた‥‥少し違うな。二人は〝移動〟したのだ。
要は瞬間移動のようなもの
___この世界は残酷なんだ
神は悪魔に味方に付いて世界を滅ぼそうとしている。
だから、人間が阻止しようともがいている。神に逆らい悪魔を消そうとしている人間。
人間は悪魔を消し去り神を正気に戻す為なら手段を択ばない
神や悪魔は恐ろしい
けど、一番恐ろしいのは人間だ。
これは能力を持つ少年少女達が描く残酷で哀しい悲劇の物語
が、一人の影を中心に動き始める。逃げる事も隠れる事も出来ない物語