『誰かのアイドル』
郁多天袈、初めての詩です!
書き方が分からないまま完成しました。
少女が夢について話します。
今日も私は、人生から逃げた。
顔が気色悪いといじめられた。
行動がとろいといじめられた。
私は誰にも必要とされていない。
両親にすら煙たがられる存在だ。
存在価値も、確立しなくなった。
皆がいるきらびやかな舞台には立たせてもらえない。
村人Aどころか村人Zすらも私には務まりはしない。
けれども私には、叶えたい一つの『目標』があった。
私には大きすぎるが、質素で小さい『夢』があった。
私は、誰かの『希望』になりたい。
悩める人を救う存在になりたい。
自分が救われていないからこそ。
偶像になりたいと思い上がった。
この目標の事を考えると、胸が鋭く痛んでしまう。
目からは塩辛い水、切られた手首からは鉄臭い水。
周りの空気が絶望を取り込み息苦しくさせてくる。
私は、傷だらけで醜い惨めなアイドル。
真っ暗な海底に這いつくばるアイドル。
悲しみと共に汚く錆びきったアイドル。
誰にも見られない事がほとんどだろうね。
だけど、誰かが私を目に留めてくれてさ。
苦しいのは自分だけじゃないって思って。
笑う余裕が生まれたら私は凄い幸せだな。
ようするに私は苦しいままでいいんだ。
濁りの中でかすかに光ってみせるから。
誰でも良いから、私を見てほしいんだ。
ただ、誰かのアイドルになりたいから。
ご読了感謝です!
『誰かのアイドル』というのは、
控えめかつ壮大な夢だと思います。